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知らなかった日本の戦争被害、「広島遺恨」を読んで涙がとめどなく流れた―中国人学生

配信日時:2015年8月6日(木) 7時59分
知らなかった日本の戦争被害、「広島遺恨」を読んで涙がとめどなく流れた―中国人学生
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広島に原爆が投下されてから70年を迎えた。中国で詳しく語られることのない「日本の戦争被害」を知って、ハルビン工業大学の丁兆鳳さんは「考え方が変わった」という。写真は広島原爆ドーム。
広島に原爆が投下されてから70年を迎えた。中国で詳しく語られることのない「日本の戦争被害」を知って、ハルビン工業大学の丁兆鳳さんは「考え方が変わった」という。

あ・い・う・え・おの発音と書き方の練習の繰り返し、動詞と形容詞の活用の反復…。忍耐力を試すような日本語の勉強に、私は一服の清涼剤を求めた。私は大学の図書館で日本語と日本に関する本を探した。そして、中国人が書いた「広島遺恨」という本を探しあてたことが私の考えを180度変えることになった。初めてこの本を開いた時、私の目に飛び込んできた一節は次のようなものだった。

「原子爆弾が投下された瞬間、広島の街が一瞬にして廃墟になった。被爆した子どもたち、女性たちの黒く焼けこげた死体は、足の踏み場もないほどだった。生き残った人も、飢餓や貧困に苦しみ、皮膚をやけどしたり、放射能を浴びて血液病の犠牲となった…」

私はここまで読んだ時、もう次のページに目を移すことができなかった。そこで失神しそうになり、後は涙がとめどもなく流れた。

戦争という文字から、私が思い浮かべることはやはり「抗日戦争」である。子どものころから、テレビ、本などで知った中国国民の被害や日本軍の残虐な行為が目に焼きついている。戦争は日本人が加害者で中国人が被害者であるという社会環境で育てられたからである。私を含めて中国の若者は日本人が受けた代表的な被害と言える「原子爆弾」という言葉を知っていても、どんな被害を受け、どんな悲惨な状況にあったのか、具体的にはよく知らない。そのため、日本国民の戦争被害についての感情も理解することができなかったのだ。

実は、人間なら中国人であれ、日本人であれ、何百万あるいは何千万という命が消えた戦争被害を知ると、戦争を経験した人の悲惨さがわかる。被害国にしても、加害国にしても、戦争の被害者は戦場で戦った者だけでなく、戦争に参加していない多数の罪のない女性や子どもであることを忘れてはならない。

戦後、すでに半世紀あまりたって、戦争で両国国民の心に残った傷口は依然として癒えていない。中国国民のみならず、日本国民も被害者だということがわかって、日本人と日本軍国主義、過去の人と現代人の違いも理性的に理解することができた。もし私が日本語を勉強していなければ、「広島遺恨」に出会うことはなかったし、戦時中の残酷さを永遠に深く理解できず、日中関係のあり方を抜本的に考え直すこともなかったかもしれない。

「原子爆弾」「南京大虐殺」のような非人道的な行為が歴史上あってはならなかった。中国に「過去のことを忘れずに、将来の戒めとする」ということわざがある。両国は歴史的事実に向き合いながらも、過去の陰影に生きているべきではないと考えている。両国国民の背負うべきものは「恨み」でもなければ「罪」でもない。未来の世界を平和にする責任であると思う。(編集/北田

※本文は、第一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「日中友好への提言2005」(段躍中編、日本僑報社、2005年)より、丁兆鳳さん(ハルビン工業大学)の作品「日本の戦争被災を知って」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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  • アメポ***** | (2017/05/21 12:32)

    過去の戦争を考える時、国と人を分けて考える必要がある。ここを一即多にしてしまうと、省みるという意味の反省は感情的にできなくなる。 日本本土を焼いた「大空襲」「原爆投下」。これは「民衆(非戦闘員)に対する無差別攻撃」というアメリカの戦争犯罪であると同時に、大日本帝国政府が「舵取りを間違った」結果と見ることも出来る。 そして、犠牲になったのは老若男女の別なく日本国民だ。 戦争があれば、その結果がどうであれ当事国の国民に深い傷を残す。勝利者の米国も、息子を失った親の悲しみを数多く生み出した。原爆投下の遠因には、そういった悲しみが恨みに転化したものもあっただろう。 戦後、大日本帝国は「悪」という位置付けをされた。確かに正義ではなかっただろうが、戦争を好む国はみな「悪」だ。 「正義」を叫び「悪」を成す。戦争の本質はそういったものだ。「日本の被害」を見て厭戦となり、核兵器廃絶に向かうなら無駄ではないが
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