日本人の平和への祈りが込められた「紫金草」、あなたはご存じですか?―中国人学生

配信日時:2015年7月18日(土) 9時31分
日本人の平和への祈りが込められた「紫金草」、あなたはご存じですか?―中国人学生
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日本で「戦争法案」との批判も受けた安保法案が衆議院で可決された。中国人は戦争と平和についてどのように考えているのか。写真は紫金草。
日本で「戦争法案」との批判も受けた安保法案が衆議院で可決された。安保法制をめぐっては、安倍首相が非公式の懇談会で「中国を相手にしたもの」と発言したとの報道もされた。では、中国人は戦争と平和についてどのように考えているのか。南京大学の高静さんは、作文に次のようにつづっている。

あなたは「紫金草」という花をご存じですか?そして、この花にまつわる平和を願う人々の物語をお聞きになったことがありますか?

私が初めてその花を見たのは、小学生の時でした。春の遠足で私のクラスは南京市の郊外にある紫金山へ行きました。バスを降りたとたん、私の目に飛び込んできたのは、辺り一面に咲いている薄紫の花でした。小さな花が3月の風にゆらゆらと揺れていて、まるで紫の海のようです。名前さえ知らないその花が、私は一目で好きになりました。

私が再びその花に出会ったのは、高校2年生の時でした。その春、高校の生徒全員で南京大虐殺記念館を参観しました。しばらくして、深い悲しみに浸りながら、暗い展示室から出た時、記念館の一角に静かに咲いている紫の花が目に映りました。そうです、紫金山に咲いていたあの花でした。側には「歴史を忘れず、未来に向かう」そして、「平和の誓い」と刻まれた2つの石碑が立っていました。解説員の話から、その花の名前が「紫金草」だということや、「日本紫金草合唱団」の人々が南京での公演記念としてこの花を植えたことを知りました。

でも、どうしてここに、この花を植えたのかしら?この花には何か意味があるのでしょうか?実はこの花には、平和を願う人々の深い思いと長い歴史があるのです。それは、日中戦争で廃墟となった南京の紫金山のふもとから一人の日本人がこの花の種を持ち帰った時から始まります。その人は戦死者への鎮魂と贖罪、平和への祈りを込めて、この花を「紫金草」と名付け、日本中に花の種をまき広めました。その後、多くの日本人がこの活動に加わり、鎮魂と平和への祈りは「紫金草」と共に今では日本中に広がり続けているそうです。

その後、私たち南京大学日本語科の学生は、「紫金草合唱団」の方々と交流する機会を得ました。そして、「平和の花、紫金草」という歌を聴かせて頂きました。「過去のあやまち 忘れぬように 祈りをこめて 花を捧げよう」――遥々やって来た老人たちの少し震える歌声を聞いて、私はまぶたの裏がかすかに痛くなりました。

私は、中国人として、南京人として戦争を憎みます。戦争の怖さを忘れてはならないと思っています。同時に「花が好き、歌が好き、平和が好き、人間が好き」そんな日本人がたくさんいることも知っています。歴史の不幸は取り返せません。私たちにとって今大切なのは、歴史の悲劇を二度と繰り返さないよう、努力することではないでしょうか。平和は大砲の口にきれいな花を咲かせる力を持っています。すべての人が花が好きだとは限りませんが、目の前で炸裂した砲弾が好きな人は一人もいないに決まっています。私は、平和を願う一粒の種となり、両国の友好のために小さな花を咲かせたいと思っています。(編集/北田

※本文は、第一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「日中友好への提言2005」(段躍中編、日本僑報社、2005年)より、高静さん(南京大学)の作品「平和の花―中日友好のために」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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