<写真特集>取り壊しと消失―廃墟に立つ人形に込めたメッセージ

JOMEN   2016年8月10日(水) 0時0分

取り壊されつつある民家のがれきの上で、ドレスアップしたモデルたちがポーズを決める「拆と逝(取り壊しと消失)」。廃墟で我を失う、こっけいなばかりに華やかな人形たちは、二度と戻らぬものと引き換えにした文明の姿そのものだ。

これはモード雑誌のグラビアを目指しているのか?それともふざけたコメディーか?取り壊されつつある民家のがれきの上で、ドレスアップしたモデルたちがポーズを決める「拆と逝(取り壊しと消失)」。そこは、みるみる取り壊しが進んでいる北京の伝統住宅・胡同。作者・JOMEN氏の子供時代の遊び場であり、子供時代の思い出の場所。それが便利で贅沢な暮らしに取って代わられ、二度と戻らぬものになろうとしている。

おそらくこの跡地に現れるのはコンクリートで固められた幹線道路と高層ビル。心に残るのは満身創痍の傷跡だけ。悲しみ、争い、信念、こだわりを失った迷える世代。廃墟で我を失う、こっけいなばかりに華やかな人形たち。「これが文明のもたらしたものなのだ」―作者はそんなメッセージを作品に込めているという。(文/山上仁奈)

●JOMEN

1979年生まれ。本名・李迅(リー・シュン)。中国の写真家、映像・広告プランナー。国家高級カメラマンの資格を持ち、多くのアートスクールで教鞭を執るほか、雑誌、ネットメディア、広告などさまざまなメディアで幅広く活躍している。代表作に「拆と逝(取り壊しと消失)」「盛世中華」「人魚の夢」など。

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