インドの「経済の奇跡」の裏に隠された時限爆弾―中国メディア

Record China    2023年5月31日(水) 6時0分

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29日、環球網は、奇跡とさえ呼ばれ始めたインド経済の成長の背景に「時限爆弾」が隠されているとする記事を掲載した。

2023年5月29日、環球網は、奇跡とさえ呼ばれ始めたインド経済の成長の背景に「時限爆弾」が隠されているとする記事を掲載した。

記事は、新たな議会ビルの落成や7%に近い経済成長率、中国を抜いて人口世界一になるなど、インドに関する一連のポジティブな情報が世界の注目を集め、「経済の奇跡」という言葉さえもが国内で取り沙汰されていると紹介する一方で、米CNNがこのほど実施した現地の青年らへのインタビューにより、就職難など市民生活上の問題が引き続き大きく立ちはだかっていることが明らかになったと伝えた。

そして、28歳の清掃員の男性が「小さい頃から勉学で運命を変えられるという言葉を信じ、修士号まで取得したにもかかわらず、今の仕事は清掃員。こんなにいっぱい勉強したのに相応の職に就けないことに憤りを覚えている。これは政府の問題。人々のためにもっと多くの雇用を創出すべきだ」と語ったことを紹介した。

その上で、インドの人口構造は全体的に若く、生産年齢人口が10年後には10億人を突破する見込みである一方、失業率は高止まりしていると指摘。昨年12月には全人口の40%を占める25歳以下の45.8%が仕事に就けていないというシンクタンクによる統計結果も出ていると伝えた。

また、インドでは子どもの頃から激しい競争に直面し、多くの家庭が高額の費用をわが子の勉学に投じると紹介。さらに、競争に勝って大学に入り、卒業した後も再び過酷な競争にさらされることになり、例えば、公務員になるためには試験に向けて「自動車3、4台分」の学費が必要になる一方で、採用率はわずか1%と非常に低いとした。そして、競争は公務員だけでなく、比較的安定した生活ができるという鉄道業界でも2019年には3万5000人の雇用を1250万人が争ったと伝えた。

さらに、就職難は人材の国外流失を引き起こしており、昨年のインド人留学生77万人のうち英国への留学が14万人を占め、その多くが「インドに帰っても仕事に就けないから」と現地就職を目標に勉学に励んでいるとした。

記事は最後に、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが先日発表した文章の中で「メディアや世論はインドのいわゆる『黄金時代』を過度に宣伝しているが、その本質は厳しい経済状況に美しいビジョンでふたをしているに過ぎない。現在の厳しい雇用状況は、インドの『人口ボーナス』を『人口負担』に変えてしまっている」と評したことを紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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