空自F-15戦闘機を比に派遣、戦後初、南シナ海の軍事拠点化進める中国念頭に防衛協力を強化

Record China    2022年12月10日(土) 5時0分

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航空自衛隊はフィリピンのクラーク空軍基地にF-15戦闘機2機を派遣した。比への戦闘機派遣は戦後初めて。日比両国は南シナ海の軍事拠点化を進める中国を念頭に防衛協力を強化している。写真はF-15。

フィリピン北部ルソン島のクラーク空軍基地に6日、航空自衛隊のF-15戦闘機2機が到着し、歓迎式典が開かれた。比空軍と空自が行っている部隊間交流の一環で、比国に戦闘機が派遣されたのは戦後初めて。日比両国は南シナ海の軍事拠点化を進める中国を念頭に防衛協力を強化している。

太平洋戦争前、米軍が駐留していたクラーク基地は1941年12月8日の開戦日、台湾から発進した旧日本軍機が米ハワイの真珠湾攻撃とほぼ同時に爆撃。その後、上陸した部隊が占領した。基地近くのマバラカット飛行場は神風特別攻撃隊の出撃拠点になった歴史もある。

空自によると、部隊間交流期間は準備や撤収などを含めて11月27日から12月11日までの間。派遣されたのはF-15戦闘機2機のほか航空総隊の人員約60人で、空中給油や輸送任務などにKC-767空中給油・輸送機1機、C-2輸送機2機と航空支援集団の人員約30人も加わる。

共同通信などによると、2機のF-15戦闘機は6日、宮崎県の新田原基地を飛び立ち、空中給油を受けながら約4時間かけて移動。クラーク基地周辺上空で比空軍のFA-50戦闘機4機に迎えられ、編隊飛行した。比空軍のカンラス司令官は「時代は変わり、日本は法の支配を信じる『同盟国』になった」と歓迎した。戦闘機の海外派遣は米国オーストラリアに次いで3か国目だ。

空自が比空軍と二国間の共同訓練を実施したのは、2021年7月が初めてだった。この時はC-130H輸送機と人員約10人を派遣し、人道支援・災害救援活動に関する訓練を実施した。同様の訓練は22年6月にも行ったが、今回は戦闘機を派遣しての訓練であり、派遣人員数も過去2回より増えた。

一方、中比両国間では最近、緊張が走る事態があった。比外務省などによると、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のうち、比国が実効支配するパグアサ島近くの海上で11月20日、中国が打ち上げた「長征5号B」と推定されるロケットの残骸を回収して持ち帰ろうとした比軍のボートを中国海警局の船が妨害し、浮遊物を強奪した。

これ対し、中国側は「浮遊物は現場での話し合いで平和裏に引き渡された」と主張している。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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