バイデン大統領は訪日中に「台湾関連あいまい戦略」を覆した―香港・亜洲週刊

亜洲週刊    2022年5月29日(日) 20時0分

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香港誌「亜洲週刊」が、バイデン大統領は日本を極めて重視していると論じる記事を発表した。同大統領は訪日中に「台湾関連あいまい戦略」を覆す発言もした。写真はバイデン大統領のツイッター・アカウントより。

香港誌「亜洲週刊」はこのほど、バイデン大統領の韓国・日本訪問について、日本をより重視しているからこそ先に韓国を訪問すると論評する毛峰東京支局長の署名入り記事を発表した。バイデン大統領は訪日中に「台湾関連あいまい戦略」を覆す発言もした。以下は、その主要部分だ。

■韓国新政権の「言質」を手土産に岸田首相と会談

バイデン大統領が日本より先に韓国を訪問したことに「日本軽視」との声も出たが、実際は逆だ。バイデン大統領はまず、発足直後の韓国・尹錫悦(ユン・ソギョル)政権と接触し、日本と協調する意思を確認し、それを岸田政権への手土産とした。そして日本では重要な三つの仕事をした。

東京の赤坂迎賓館で23日に行われた日米首脳会談は、異例の2時間15分に及んだ。また、正式の会談前に、通訳だけを同席させた「密談」も行った。バイデン大統領はその際に「日韓関係改善」のカードを岸田首相に示した。

バイデン大統領と岸田首相は、中国による東シナ海の現状を変更しようとするいかなる一方的な試みにも強く反対し、南シナ海における中国の違法な海洋についての主張や埋め立て地の軍事施設化、脅迫性を帯びた活動に強く反対することを再確認した。さらに、日米は「国連海洋法条約」に適合する航行と飛行の自由など法の支配に断固として責任を持つことを強調した。

米国は台湾関連の「あいまい戦略」から脱却、ホワイトハウスも発言取り消しはせず

また日米双方はいずれも「台湾問題に関する基本的立場は変わっていない」とした上で、国際社会の安全と繁栄の基本的要素である台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認した。

首脳会談後の記者会見では、日米両国のメディアによる計4件の質問が取り上げられたが、うち2件は台湾に関連するものだった。米国人記者による、中国が台湾に武力侵攻する「台湾海峡有事」が発生した場合にバイデン大統領には軍事介入して台湾を守る考えがあるのかとの質問に対して、バイデン大統領は「Yes」すなわち軍事介入する考えがあると回答した。バイデン大統領はさらに、「Yes, That’s the commitment we made(そうです。それが私たちがした約束です)」と述べた。

バイデン大統領はさらに「一つの中国の政策には同意します。ただし武力行使による奪取は地域全体を崩壊させます。それは、ウクライナと同じ状況です」と説明した。

米国はこれまで、中国が台湾に軍事行動を起こした場合の自国の対応について明確な説明はしない「あいまい戦略」を続けてきた。それだけに、バイデン大統領の発言は日本および全世界に波紋を巻き起こした。自民党外交部の佐藤正久会長(参議院議員)はバイデン大統領の同発言を「大変良い失言、最高の失言をされた」と評した。

ホワイトハウスはバイデン大統領の発言の直後に「米国の対台湾政策に変更はない」と表明した。しかしバイデン大統領の発言を否定したのではなく、バイデン大統領の言い方を繰り返しただけだった。

■東京滞在中にIPEF発足首脳会議とQuad首脳会議も開催

バイデン大統領は東京滞在中の5月23日には、インド太平洋経済枠組み(IPEF)の発足首脳会議を開催した。東京での開催は、日本側はバイデン大統領に好意的な姿勢を示し、バイデン大統領としては日本のインド太平洋地域における地域的優位性を頼りに、日本の積極的な役割を引き出そうとする戦略思考による結果だ。IPEFには米国や日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなど10カ国以上が参加したが、特にインドの加盟でその重みが増した。さらにASEANからもシンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシア、ブルネイの7カ国が参加した。

IPEFは貿易、サプライチェーン、インフラと脱炭素化、税問題と汚職撲滅への取り組みなど柱としており、自由貿易の中核となる関税引き下げは念頭に置いていない。しかしIPEFが実質的に、米国のインド太平洋戦略の一環であり、中国に対抗して経済安全保障とサプライチェーンなどの分野で新たな経済圏を形成しようとする動きであることは間違いない。

24日には、東京都内で日本政府主催による日米印豪4カ国戦略対話(Quad、クアッド)首脳会議が開催された。オーストラリアのアルバニージ新首相は、就任後わずか24時間後に始まる4カ国首脳会議に出席するために東京に駆けつけ、クアッドを重視していることを示した。

4カ国首脳会議後に発表された共同声明では、自由で開かれたインド太平洋地域に強力にかかわることが示された。共同声明は中国を直接名指しはしなかったが、対象地域においていかなるやり方でも脅迫や挑発、一方的な行為によって現状の変更と地域の緊張を高めることに強く反対すると表明した。中国に対するけん制であることは明白だ。(翻訳・編集/如月隼人

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