2022年5月23日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、オーストラリアで新首相が誕生したことによる対中関係改善の可能性に関する記事を掲載した。

記事は、オーストラリアで23日、アンソニー・アルバニージ氏が同国第31代首相に就任したと紹介。同国建国から121年で初めて英国の血統を持たないアイルランド系オーストラリア人の首相就任となったことは、同国の多様性文化が新たな時代に入ったことを表すとするとともに、貧しい家庭の出身であること、両親のストーリーなどが注目を集めていると伝えた。

また、首相に就任した同日にはペニー・ウォン外相とともに日本に赴き、24日に開かれる日米豪印（クアッド）首脳会議への出席に備えたとし、クアッド首脳会議について「政権交代により政策にもいささかの変化が起こることを世界に伝えるうえでの優先事項」と述べたことを紹介している。

その上で、冷え切った状態にある中国との関係に注目が集まる中、就任後最初の記者会見で同首相が「両国関係は厳しい状況にある。中国は変化したが、わが国は自らの価値観を守る」とコメントするとともに、国の安全保障問題で政治をもてあそぶようなことはせず「首相として、オーストラリアの国益を第一に考える」と述べたことを伝えた。

一方、中国政府側の反応として、政府系メディアの環球時報が22日に発表した社説の中で「アルバニージ氏の首相就任は客観的に見て、谷底にある豪中関係に転換のチャンスをもたらすもの。わが国はオーストラリア新政権が両国関係を正常な軌道に戻すよう推進することを歓迎する」と評したことを伝えている。

記事はさらに、潜水艦建造問題でオーストラリアとの関係が悪化しているフランスの反応についても言及。ルドリアン前外相が21日、オーストラリアの総選挙でモリソン前首相の与党連合が敗れたことについて「私にとっては良いこと」と発言し、今後フランス政府がオーストラリアとの建設的な対話を回復することに期待を寄せたとした。（翻訳・編集/川尻）

A warm welcome for @SenatorWong as we landed in Tokyo this evening.

Thank you, State Minister for Foreign Affairs, @odawarakiyoshi , Australian Ambassador, @AusAmbJPN, Japanese Ambassador to Australia, @YamagamiShingo.

I’m looking forward to the Quad Leaders’ Summit. pic.twitter.com/FJ9PS3d4Fe

— Anthony Albanese (@AlboMP) May 23, 2022