バイデン氏は「プーチン氏によるジェノサイド」と言うけど…「ジェノサイド」って一体何?―独メディア

Record China    2022年4月20日(水) 17時20分

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18日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、バイデン米大統領がウクライナについてプーチン露大統領によるジェノサイドと表現したことについて、「ジェノサイドとは一体何か」とする記事を掲載した。

2022年4月18日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、バイデン米大統領が先日ウクライナについてプーチン露大統領によるジェノサイドと表現したことについて、「ジェノサイドとは一体何か」とする記事を掲載した。

記事は、「ジェノサイド」という言葉が世界的に初めて用いられたのは第2次世界大戦でナチスドイツがユダヤ人に対して行った大量虐殺であり、ポーランド系ユダヤ人の弁護士ラファエル・レムキン氏が国際法によるジェノサイドの定義化に尽力し、1948年の国連総会におけるジェノサイド犯罪の防止と処罰に関する条約採択の道をつくったと紹介。51年に発効した同条約ではジェノサイドを意図的に国民的、民族的、人種的、または宗教的な集団の全体もしくは一部を破壊する行為と定めており、当事者国の憲法が定める統治者、公務員や個人のいずれもがジェノサイドの罪で訴追を受ける可能性があり、国家間紛争を扱うハーグ国際司法裁判所も当事者国にジェノサイドの責任があるかを判断する権限を持つと説明した。

その上で国際法の専門家が「実際の法律の枠組みにおいて、ジェノサイドという言葉の使用範囲は非常に狭い。ジェノサイドの罪に相当するかは数字で決めるのではなく、一つの集団を肉体的に消滅させる意図があったかどうかで決める」と説明し、このような意図を証明することは非常に困難であるため、法定では当事者の行動から意図を推断するための間接的な証拠が必要になる上、間接的な証拠である以上は証拠に対するあらゆる疑念を禁じないことから、ジェノサイドの意図を立証するのは極めて難しいとの見方を示していることを伝えた。

また、現在までに国際刑事裁判所がジェノサイドの罪を認定した事例は三つあり、75〜79年のカンボジア大虐殺、94年のルワンダ大虐殺、そして2010年に国際刑事裁判所がスーダンのダルフール問題でバシール大統領に対しジェノサイドの罪で逮捕状を出した事例であると紹介。国際法が専門のウィリアム・シャバス英ミドルセックス大学教授は「現在の法律ではジェノサイドの罪について明確に定義している」とした上で、「しかし、中国のウイグル族問題にしろ、ウクライナ戦争にしろ、法的なジェノサイドの定義に合致しない事件に対してジェノサイドという言葉をしようとする人物もいる」と語ったことを伝えている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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