中国によるリトアニアとの外交関係格下げが発したメッセージとは―中国メディア

人民網日本語版    2021年11月22日(月) 19時50分

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中国外交部は21日、リトアニアとの外交関係を代理公使級に格下げするとの声明を発表した。写真はリトアニア。

中国外交部は21日、リトアニアとの外交関係を代理公使級に格下げするとの声明を発表した。専門家は「異例かつ厳しい今回の行動は、台湾問題において中国の譲れぬ一線への挑発を試みてはならないという、中国の強い姿勢を国際社会に示すものだ。リトアニアが台湾問題で独断専行を続けた場合、断交の可能性も排除できない」と指摘する。環球網が伝えた。

■4つのメッセージ

(1)中国国際問題研究院欧州研究所の崔洪建(ツイ・ホンジエン)所長の分析によると、今年8月に中国が駐リトアニア大使を召還してから今日に至るまで、リトアニア側は過ちを正さず、独断専行を続けてきた。台湾問題で公然と中国に挑戦する行為は異例だ。このため、中国側はより厳しい外交的措置を取るほかなかった。

(2)格下げは中国側の鮮明な姿勢を明確にした。すなわち、台湾問題においてリトアニア側は見逃してもらえるだろうと期待してはならず、中国の目をかすめるようなことをしてはならず、台湾を持ち出して問題をあげつらってはならないということだ。

(3)中国人民大学の王義桅(ワン・イーウェイ)教授(国際関係学)によると、今回の格下げはチェコ、ハンガリー、ポーランドなど欧州の国を含む勢力に向けた警告でもある。「こうした国々に対し、台湾など原則的問題において中国への挑発を試みてはならないと警告した」と王教授は指摘する。

(4)崔所長によると、最初に大使を召還してから断固たる格下げへと至ったことは、確かな理由と節度のある中国側の姿勢の表れだ。大使召還によって、リトアニア側に冷静になり、考え直し、過ちを正す期間を与えたのだ。だが、リトアニア側はいささかも悔い改めないままだったので、格下げに至った。今後もリトアニア側が独断専行を続けた場合、断交の可能性も排除できない。中国側の出発点は「一つの中国」原則の断固たる維持だ。リトアニアのような挑発国に対して強い姿勢と相互主義の姿勢を示してこそ、中国側の姿勢は国際社会に認識される。

■リトアニアへの3つの影響

外交関係の格下げによって、どのような影響が生じるのだろうか。最大の影響を受ける分野として、専門家は経済を挙げる。

崔所長は「代理公使は大使と違い全権を任されていない。全権を任されていないということは、今後の中国・リトアニア両国の外交関係及び双方の相手国での活動における権限と範囲が大きく制限され、大きな影響を受けるということだ」と指摘。さらに、「リトアニアがまず打撃を受けるのは経済分野だろう。今後両国の貿易や農産物検査・検疫を含む政府レベルの各分野に大きな影響が出る。次に、政治や外交、人的・文化的分野での双方の交流も大きな影響を受けるだろう。また、アジア太平洋やその他の多国間の場で、リトアニア自身の利益に関わる議題において、双方間の政治的相互信頼が低下したため、リトアニアが中国の支持を得るのは困難になるだろう」と指摘している。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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