米サプライチェーンの混乱、「トランプ前大統領が発動した貿易戦争に始まる」と中国メディア

Record China    2021年11月7日(日) 9時0分

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米国のサプライチェーンの混乱が深刻化。中国メディアは米誌の記事を引用し、「今回のサプライチェーン問題はトランプ前大統領が発動した貿易戦争に始まる」と論評した。

米国サプライチェーン(供給網)の混乱が深刻化している。クリスマス商戦向けの貨物などが続々と到着する米国有数のコンテナ港のロサンゼルス港は史上最悪の混雑に直面。中国メディアは米誌の記事を引用し、「今回のサプライチェーン問題はトランプ前大統領が発動した貿易戦争に始まる」と論評した。

中国網によると、米国1、2位のコンテナ港のロサンゼルス港とロングビーチ港の外では10月末、数十隻のコンテナ船などが入港・積み降ろしを待っていた。待機時間が最も長い船はすでに38日になる。

港湾内の状況は少しも楽観できない。1基のコンテナが港湾の貨物置き場で輸送を待つ時間を待機時間と呼ぶが、ロサンゼルス港の待機時間は現在、過去最長を記録している。陸路の輸送の待機時間は6日以上、鉄道輸送は12日弱で、空のコンテナを積んだトラックの貨物置き場での待機時間は8.5日となっている。港湾の貨物置き場が過負荷になっており、大量のコンテナではち切れんばかりだという。

トラック運転手の数も少ない。全米トラック協会の最新データによると、全国ではトラック運転手が8万人不足し、過去最大を記録した。またトラック用部品やタイヤなどの不足も物流会社を悩ませている。これらの物資の不足はサプライチェーンの遅れの結果だ。

こうした混乱について、米誌「フォーブス」は「トランプ氏が発動した貿易戦争に始まる」と指摘。具体的には米国企業が追加関税を回避するため買いだめに走り、物流に第1波の圧力をもたらしたことを挙げた。

さらに新型コロナウイルスが世界の物流業の予測可能性と確実性を失わせた。昨年末の段階で米国のサプライチェーンにはすでに亀裂が生じていたが、米政府は党の争いに忙しく重視しなかった。今日になり全チェーンの各サイクルに問題が生じている。

混乱の背景を中国網は「消費者の需要の拡大よりも、企業による買いだめの需要がサプライチェーンにもたらす衝撃の方が大きいと分析されている」と説明。「在庫不足の危機に直面していた企業にとっては、供給確保が喫緊の課題になっている。これはサプライチェーンの過負荷を引き起こしたより深い原因だ」とした。

そして「懸念されているのは米国の経済政策が不安定なことで、特に米国は貿易政策により世界の産業チェーンを再構築しようと試み続けている」と言及。「これにより、サプライチェーンの需給データが頻繁かつ長期的に異常な状態に置かれることになる。この状況下、米国のサプライチェーンの異常な負荷が新常態(ニューノーマル)になる恐れがある」との見方を示した。(編集/日向)

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