「台湾」名の代表機関はノー、中国がリトアニアに大使引き揚げ要求、中国大使も召喚

Record China    2021年8月14日(土) 8時30分

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台湾がリトアニアの事実上の大使館となる代表処に「台湾」の名を冠したことを受けて、中国はリトアニアに対し駐中国大使の引き揚げを要求。中国の駐リトアニア大使を召還することも決めた。写真はリトアニア。

台湾がバルト3国のリトアニアの事実上の大使館となる代表処に「台湾」の名を冠したことを受けて、中国政府はリトアニアに対し駐中国大使を引き揚げるよう要求、中国の駐リトアニア大使を召還することを決めた。台湾の在外機関は中国の反発を念頭に「台北」の呼称を使っている。

台湾と正式な外交関係を結んでいるのは、太平洋のツバル、マーシャル諸島、パラオや中南米・カリブ海のグアテマラ、パラグアイ、ホンジュラス、ハイチ、欧州のバチカンなど計15カ国。日本をはじめリトアニアが加盟する欧州連合(EU)など多くの国には事実上の大使館があるが、いずれも「台北」を用いている。

台湾外交部は7月20日、リトアニアの首都ビリニュスに「台湾代表処」を設置すると発表。中国外交部や台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は、中国と国交を結ぶ国が台湾といかなる公的な往来を行うことにも断固反対するとの立場を示し、リトアニアには「一つの中国」原則を守るよう求めていた。

ロイター通信によると、代表処に「台湾」の名称が使われるのはリトアニアが欧州で初めて。中国外交部は10日、リトアニアが台湾名の代表機関設立を容認したことを「重大な結果を招くと繰り返し明言してきた中国を無視し、中国の主権を大きく侵害した」と非難した。

さらに「中国政府は今回の動きに断固たる反対を表明する。中国は駐リトアニア大使の召還を決めた。リトアニア政府に対しても駐中国大使の引き揚げを求める」と表明。「リトアニア側に対し、直ちに誤った決定を是正し、ダメージを修復する具体的な措置を講じるとともに、間違った道をさらに進まないことを求める」とも警告した。

リトアニア政府は今年、台湾に代表機関を設立する計画を公表。新型コロナウイルスワクチン2万回分を台湾に寄付するなど関係を強化していた。中国の強硬姿勢は欧州で香港情勢や新疆ウイグル自治区などの問題をめぐり、対中批判が強まる中、リトアニアと同じような動きが広がるのをけん制するのが狙いとみられる。

リトアニアのランズベルギス外相はロイター通信に「中国のメッセージは受け取った。だが、こちらからもメッセージを送った。すなわち、リトアニアは独自の政策を続ける、ということだ。これはわが国の政策というだけでなく、他の多くの欧州諸国の政策でもあるからだ」と述べた。

今年2月、台湾は南米ガイアナが同国への代表機関設置で合意したと発表したが、ガイアナはその翌日に合意を撤回。台湾は中国による「いじめだ」としていた。(編集/日向)

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