米ボ社「737MAX」の中国運航再開、米中確執などで遅々として進まず―海外メディア

Record China    2021年7月4日(日) 8時20分

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米ボーイング社の最新鋭旅客機「737MAX」の中国での運航再開が遅々として進まない。米中の確執などのためで、海外メディアは「ボ社はいらだちを募らせている」と報じた。使用停止されている737MAX

米ボーイング社の最新鋭旅客機「737MAX」の中国での運航再開が遅々として進まない。通商をめぐる米中の確執や規制面のハードル、中国の競争力を抑えようとする欧米諸国の企てなどのためだ。ロイター通信は「ボ社は潜在的な競争相手が影響力を強め、いらだちを募らせている」と報じた。

737MAXは2018年10月にインドネシアのライオン・エア機、19年3月のエチオピア航空機と相次いで墜落事故を起こし、各国が運行停止措置を取った。欧米諸国は昨年秋に運航停止を解除したが、それから半年以上が経過しても中国での運航再開の明確な見通しが立たないままだ。ボ社は中国で運航再開の承認が昨年末に得られると期待。今年1月時点では、6月末にすべての国の規制当局が承認を出すとの見通しを示していた。

ロイター通信は事情に詳しい関係者の「規制面や政治面の障害のため解決にはまだ数カ月かかる」との見方を紹介。ボ社のカルホーン最高経営責任者(CEO)からすれば、その間に利益や市場シェアがライバルの欧州エアバスに奪われることになる。

カルホーン氏は6月のイベントで「この問題があまりにも長引けば私が代償を支払うのは分かっている。代償を払うのは(中国が)この業界の成長に占める割合が最も大きいからだ」と話した。同氏によると、中国での見通しが不透明なためボ社は737MAXについて、22年初頭までに達成を見込んでいる月間31機の生産ペース引き上げに確信が持てないという。

中国は国産狭胴型ジェット旅客機「C919」などで欧米の航空機メーカーに対抗したいと考えとされる。C919を生産する国有の中国商用飛機(COMAC)は年末までに国内で認証を得たい意向で、最終的には西側諸国でも認証獲得を目指している。これに対し、米国と欧州は競争に備え、中国の補助金制度に焦点を当ててけん制している。

墜落事故後、世界で最初に737MAXの運航停止を決めたのは中国民用航空局(CACC)で、以来3度にわたり中国での運航再開に向けた要件を出している。中国では10 年以上も商用機の墜落事故が起きておらず、CACCは航空規制当局として世界で最も保守的なことで知られる。

業界筋によると、昨年は技術者が米シアトルのボ社本社から中国に向かい、CACCからの技術的な問い合わせに答えた。その後、ボ社は中国が代表者をシアトルに派遣してテスト飛行を観察することを提案したが、CACCは米国で新型コロナの流行が激しいとして断ったという。

戦略国際問題研究所(CSIS)のシニアアドバイザー、スコット・ケネディー氏は「共産党結党100周年式典や来年の共産党大会、冬季五輪などを控え、中国は非協力的になる」と指摘。中国での運航再開へ険しい道のりはまだまだ続きそうだ。(編集/日向)

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