天皇陛下の懸念を「拝察」した宮内庁長官、「苦肉の策」だった?―華字メディア

Record China    2021年7月1日(木) 9時30分

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29日、日本の華字メディア・日本新華僑報は、東京五輪・パラリンピックの開催を天皇陛下が懸念していると宮内庁長官が発言したことについて解説する記事を掲載した。

2021年6月29日、日本の華字メディア・日本新華僑報は、東京五輪・パラリンピックの開催を天皇陛下が懸念していると宮内庁長官が発言したことについて解説する記事を掲載した。以下はその概要。

西村泰彦宮内庁長官が24日の記者会見で、東京五輪・パラリンピックの開催をめぐり「(天皇陛下が)ご懸念されていると拝察している」と発言した。戦後、天皇は象徴としての役割のみを持つと憲法に記載されており、時局に対する天皇の評価は憲法違反になる可能性がある。それなのに、なぜこのような発言をしたのか。

まず、西村長官の発言内容は天皇自らが示したものではなく、西村長官が「日常の交流のなかでの拝察を通じて得たもの」だという。西村長官も記者会見で天皇は何も言っていないと説明している。世論の批判が強まれば、宮内庁関係者は言論を慎むべきだという流れになり、もし発言に対する支持や賛同が得られれば、天皇は一層民意を勝ち取ることになる。仮に天皇が実際に懸念を示していたかはさておき、西村長官の「憂慮」発言はリスクをはらみながらも効果が期待できる妙手だったのである。

また、宮内庁による今回の行動は、新型コロナに対する市民のストレスを和らげることに繋がる。新型コロナの感染が抑えきれず、仕事や生活への影響によって国民が早々に疲弊しているにもかかわらず、国際五輪委員会の圧力によって五輪・パラリンピックを開催せざるを得ない状況になっている中、天皇の「ご懸念を拝察」し、代弁するような形を取ることで、たまりにたまっている国民のガスを抜くことができると考えたのだろう。

さらに、国際社会を天皇の「憲法違反の疑い」に注目させることで、日本国内のコロナ問題に対する視線をそらす狙いもある。国内で問題が発生した時に、国際的な圧力を使って視線を別の問題に移すというのは、日本の政治家がよく使う手法なのである。

このほか、新しい時代の天皇像を模索している天皇が、今回の件を通じて現行憲法に抵触しない形で国民や社会への関心を示すメッセージを発信する試みを行ったとの見方もある。象徴天皇という地位を守るという前提において、天皇が令和の時代に合った個人のイメージを作ろうとする試み自体に害はない。

今回の件について、必要以上に深読みする必要はないだろう。感染を確かに抑え、平穏無事に東京五輪・パラリンピックが迎えられることに世界各国が注目し、期待している。なんと言っても、友好、団結そして公平な競争を象徴する、世界市民の祭典なのだから。(翻訳・編集/川尻

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