「今いるところで年越し」が新たな消費トレンド生む―中国

人民網日本語版    2021年2月19日(金) 16時0分

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中国では「今いるところで年越し」という政策の影響により、現在の居住地で春節を過ごす「原年人」の消費習慣がこれまでにない新たな春節のトレンドと珍しい年越しの風習を生み出した。資料写真。

中国では「今いるところで年越し」という政策の影響により、現在の居住地で春節(旧正月、今年は2月12日)を過ごす「原年人」(今いるところで年越しをする人)の消費習慣がこれまでにない新たな春節のトレンドと珍しい年越しの風習を生み出した。中国新聞網が伝えた。

ネットショッピングプラットフォームの蘇寧易購の上海市浦東エリアにある第1号実店舗では、今年の春節連休期間にノーオイルフライヤー、電気ベーキングパンなどの「ものぐさキッチン家電」の売り上げが気づけば前年同期比89%増加していたという。

今いるところで年越しの独特のムードが漂う中、パフソファーを購入する人が思いがけなく大幅増加し、ソファにごろりと横になってテレビドラマを眺め、スマートフォンをいじり、足湯をして体を休める、というのが、瞬く間に今年の年越しの主な過ごし方になった。蘇寧の店でパフソファーを選んでいた肖芹さんは、「今年は年長者にくっついてあちこち年始回りをしなくていいし、ついに晴れて『カウチポテト』の春節ができる」とうれしそうに話した。蘇寧の上海店舗が17日に発表したビッグデータによると、マッサージ型パフソファーの売り上げが前年同期に比べ67%増加したという。

春節に先立ち、半調理品の年越し料理がブームになり、連休に突入すると、「1人前の食事」のニーズが増加を続け、キッチンに立つのを面倒くさがるところにシェフ派遣アプリ「搭伙吃飯」が登場し、春節の消費シーン全体を「自分のために楽しむ経済」が彩ることになった。

飼い主としばらく別れなくてもよくなったペットが、今年の春節を最も幸福に過ごした層になり、「猫も犬もいる生活」や「ペットと一緒に新年のごあいさつ」といった言葉が流行語になった。ショッピングサイトの天猫(Tmall)では、ペット用の服、ペット用の年越し料理、リードの売り上げが前年同期に比べてどれも100%以上増加し、上海市民がペット用年越し料理を最も多く購入した。

シングルの「原年人」にとって「家でゴロゴロ」や「家にこもる」がこれ以上ないほど魅力的だというなら、「ホテルにこもって年越し」はZ世代(1995年から2009年の間に生まれた人を指す)の若い世帯のニューノーマルだ。

Lvmama遊旅網が17日に発表した報告によると、人気ホテルの中でも特に予約が多かったところは長江デルタ地域と珠江デルタ地域に集中し、上海、蘇州、湖州、広州、珠海などの都市のホテルが多かった。一方で、オンライン旅行サイトの飛猪(Fliggy)がまとめたデータでは、今年の春節で最も人気があった旅行先都市には、例年のような三亜、昆明、麗江、桂林、西双版納(シーサンパンナ)ではなく、広州、上海、深センのような一線都市と新一線都市が並んだ。

春節連休期間には、ランクの高いホテル、テーマパークのホテルの予約件数が80%以上増加した。一部の都市では近郊エリアの高級ホテルが1部屋も空室がないという状態になった。銀行に勤める95後(1995年から1999年生まれ)の孫卿卿さんは、2月初めに家族で過ごすため上海市崇明区にある5つ星高級ホテルを予約しようとしたが、1月中旬の時点ですでに満室だったという。孫さんは、「ホテルの話によると、2月17日まで予約はいっぱいだそうで、完全に出遅れた。今年はこんなに人気だなんて思いもしなかった」と話した。ホテルを予約する際、多くの人が年越し料理、午後のお茶、バイキング、エンターテインメントのプログラムなどが含まれたパックを選択し、「ホテルから一歩も出ないで」連休のひとときをのんびり過ごそうとする傾向がうかがえる。

行動半径が縮まり、近場旅行や居住地の省(区・市)をじっくり味わう旅行が従来の旅行に代わる選択肢になった。春節連休期間に、飛猪プラットフォームの近場旅行の予約件数は660%以上増加し、ホテルで遊ぶ、観光地をめぐる、「クラウド旅行」といったトレンドを受けて、eスポーツ特化型ホテル「ゲーム・ホテル」やペットも泊まれる民泊施設、貸し切り型でホームパーティーができる貸別荘の客単価が30%から100%ほど上昇した。もちろん、若者の中には旅行のライブ配信を見て旅心を満足させる人もいて、旧暦の大晦日にあたる2月11日には、楽山大仏(四川省楽山市)を中継するプログラム「0時抱仏脚」、香積寺(浙江省杭州市)の無形世界遺産である年越し料理を距離を隔てて楽しむプログラムが特に人気だった。飛猪では旅行ライブ配信ののべ視聴者数が前年同期比1000%近く増加したという。

行動半径の縮小トレンドは地図アプリ・高徳地図のデータでも確認できる。2月12日から15日までの間に、高徳のデータでの移動人数は162%増加したが、1人あたりの平均移動距離は30%以上縮小しており、ここから多くの人が短距離の旅行や外出を選択したことがわかる。ただレストランでの食事にしろウィンドウショッピングにしろ、移動距離がどんなに短くてもまず健康コードを提示する必要がある。どうやら丑年の春節は、PCR検査をしての年越しや何よりもコードが先というのが最も特徴的な年越しの風習になったといえそうだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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