台湾の「脱中国」、次は「国章」?国民党章に酷似が理由、慎重論や反対論も噴出

Record China    2021年2月6日(土) 8時20分

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台湾の国章の変更検討を求める決議案が立法院本会議で可決された。国章が最大野党・国民党の党章と酷似しているとの理由で「脱中国」の動きともみられるが、慎重論や反対論などが噴出している。写真は台北。

中華民国(台湾)の「国章」デザインの変更検討を求める決議案が1月末、立法院(国会)本会議で可決された。現行の「国章」が最大野党・国民党の党章と酷似しているとの理由で「脱中国」を目指す動きともみられるが、各方面から慎重論や反対論などさまざまな意見が噴出している。

国章は国家を象徴する紋章や徽章を指す。一般に国旗よりもデザインが複雑なため、その国の風土、歴史、文化などが象徴的に表現されている。台湾の「国章」は中国共産党との内戦に敗れて台湾に逃れ、その後統治した国民党の党章が起源。青天白日のデザインはほぼ同じだ。

台湾・中央通信社によると、決議案は野党・時代力量の立法院党団(議員団)が提出した。「自国の特色や文化を伝える他国の国章と違って国のイメージを表現できない」と主張し、変更の必要性や修正に絡む制度について検討し、2カ月以内に報告するよう内政部(内務省)に求めた。

国民党は同案に反対したが、与党・民進党が支持。野党・台湾民衆党が棄権し、賛成63、反対37、棄権5で1月29日に可決された。

これを受け、行政院の李孟諺・秘書長は30日、「国章」の変更は政治性が高く、各界の共通認識が不可欠で実行可能性も考慮しなければならないとし、「各方面に与える影響を評価しながら時間をかけて取り組むべき」と慎重姿勢をのぞかせた。

国民党の馬英九前総統は同日、台北市内で報道陣の取材に応じ、「必要ない」と反発。「国章」の様式が法律で明文化されていることや、国民党の党章が中華民国の建国前に考案されていたことなどを指摘した上で、「2者の違いは見て取れる」と強調し、「時間を無駄にすべきでない」と一蹴した。

同行していた江啓臣国民党主席(党首)は「国章の変更には憲法改正が必要だ」と述べ、民進党主席を兼任する蔡英文総統も「国家元首」として自身の立場を率先して表明するべきだとの考えを示した。

民進党政権下の台湾では「脱中国」が着々と進行。1月からは旅券の表紙が一部変更され、「中華民国」の漢字表記の下の英語表記「REPUBLIC OF CHINA」はなくなり、「国章」を囲むように環状に小さくあしらう目立たない形に変わった。台湾最大の航空会社「チャイナエアライン(中華航空)」の新型貨物機の塗装も英語の社名が小さくなったほか、胴体の「CARGO」大きな「C」の中に台湾本島のイラストが組み込まれた。(編集/日向)

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