世界最大の自由貿易圏が誕生、15カ国がRCEPに署名―中国メディア

人民網日本語版    2020年11月16日(月) 17時20分

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「地域的な包括的経済連携」(RCEP)の調印式が15日にオンライン方式で行われ、15カ国の経済貿易担当閣僚が協定に署名した。写真は北京。

「地域的な包括的経済連携」(RCEP)の調印式が15日にオンライン方式で行われ、15カ国の経済貿易担当閣僚が協定に署名した。この自由貿易協定への署名により、世界で最も多くの人口を擁し、最も多様な加盟国が参加する、最も発展のポテンシャルの高い東アジア自由貿易圏が成立し、動き出すことになった。

■足かけ8年の「マラソン」がついに「ゴール」へ

RCEPはアセアン10カ国が発案し、中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドをパートナー国として交渉に迎えた。狙いは関税と非関税障壁を削減して、16カ国の統一市場を擁する自由貿易圏を構築することにあった。

交渉は2012年11月にスタートし、交渉分野は中小企業、投資、経済技術協力、物品・サービス貿易など10数分野に及んだ。

この7年間に首脳会合が3回、閣僚会合が19回、正式な交渉が28回行われた。

19年11月4日、第3回RCEP首脳会合は共同声明を発表し、参加15カ国がすべての条文ベースの交渉と実質的にすべての市場アクセスをめぐる交渉を終えたことを発表し、今後は法的精査を行うとした。また。インドは「未解決の重要な問題がある」ため、しばらく加盟を見送った。

■GDPの合計は25兆ドル以上、世界人口の30%をカバー

商務部国際貿易経済協力研究院地域経済協力研究センターの張建平(ジャン・ジエンピン)センター長は、「RCEPには加盟するエコノミーの規模が大きく、包摂性が高いといった特徴がある」と指摘した。

18年までの統計データによると、加盟15カ国の人口は約23億人に上り、世界人口の30%を擁する。15カ国のGDPの合計は25兆ドルを超え、カバー地域は広く世界最大の自由貿易圏が誕生した。

世界で現在運営されている他の自由貿易協定に比べ、RCEPは新たなタイプの自由貿易協定であり、より包摂性が高い。物品貿易、紛争解決、サービス貿易、投資など従来の交渉分野だけでなく、知的財産、デジタル貿易、金融、通信といった新たな交渉分野も加えられた。

この協定のそもそもの狙いは、地域内で統一のルールを形成し、運営コストを引き下げ、運営における不確定要因を減少させること、域内の相対的な優位性に基づいてサプライチェーンとバリューチェーンを構築し、商品の流動、技術の流動、サービスの流動、資本の流動を加速させ、「貿易創造効果」を生み出すことにある。また、域内の企業がひとしく原産地の価値の蓄積に参加することができれば、域内の相互貿易・投資の促進にとって大きなプラスになると考えられる。

たとえば衣類製造の場合、域内から衣類を輸入すれば一定の関税を納めなければならず、関税コストは最終的に消費者が負担することになる。RCEP署名後、状況は大きく変わる。オーストラリア産ウールが関税なしで中国に輸入され、中国で縫製されて布地になるとまた関税なしでタイに輸出されて衣類になる。この過程で、RCEPの関税をめぐる優位性により、生産コストと輸送コストは大幅に低下し、域内各国で雇用が生まれ、さらに企業と消費者もより大きな恩恵を受けることになる。

■ECのチャンスが増加、中小企業の障壁が減少

同協定はグローバル貿易の発展の流れにぴたりと寄り添い、さまざまな新しい貿易スタイルを取り入れており、ECはその中の1つだ。ECだけでなく、知財権、競争政策、政府調達、中小企業などの分野を含み、世界貿易機関(WTO)が規定する範囲を超える。

また、消費者と域内各国からの輸入原材料・部品に依存する企業にとって、関税と非関税障壁の撤廃により、コストは大幅に低下し、利益を受けることになる。消費者は高品質・低価格の域内各国の製品を購入できるようになり、中小企業は域内各国からの輸入のハードルが大幅に低下する。運営モデルでは、協定加盟国の物品貿易全体の開放レベルは90%を超え、WTO加盟国の開放レベルをはるかに上回る。投資では、同協定はより効率的なネガティブリストの方式を採用して、投資参入交渉を行う。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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