世銀やIMFなどが中国経済の成長率予測を相次ぎ引き上げ―中国メディア

人民網日本語版    2020年10月20日(火) 5時20分

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IMFはこのほど発表した報告の中で、2020年のグローバル経済は4.4%減少する一方で、中国経済は1.9%増加して、世界で唯一プラス成長を達成した主要エコノミーになったとした。写真は上海浦東国際空港。

国際通貨基金(IMF)はこのほど発表した報告の中で、2020年のグローバル経済は4.4%減少する一方で、中国経済は1.9%増加して、世界で唯一プラス成長を達成した主要エコノミーになったとした。IMFだけでなく、世界銀行をはじめとする複数の国際機関も、最近になって中国経済の成長率予測を相次いで引き上げた。経済日報が伝えた。

■経済が予測以上に回復

実際、中国経済を評価する国際機関はIMFだけではない。世銀がこのほど発表した予測では、今年の中国経済成長率は2%に達するとし、6月初めの1%から1ポイント引き上げた。また、来年の成長率は7.9%になると予想した。

世界的な格付機関のムーディーズ・インベスター・サービスはこのほど「グローバルマクロ経済見通し報告」を発表し、今年の中国経済成長率予測を1%から1.9%引き上げ、来年は7%前後になると予想した。同じく世界的格付機関のフィッチ・レーティングスも9月に出した「グローバル経済見通し」の中で、中国の20年成長率を1.2%から2.7%に引き上げ、来年は7.7%になるとした。

IMFの報告によると、中国経済の回復の力強さが予想を上回り、第3四半期(7-9月)に回復ペースが加速した兆しがあることが、このたび世界経済の成長率予測を引き上げた重要な原因だという。

中国政策科学研究会経済政策委員会の徐洪才(シュー・ホンツァイ)副会長は、「国際機関が中国経済の成長率予測を引き上げたのは、情勢の変化と中国経済の実際の動きに基づくものだ。中国は新型コロナウイルス感染症対策と企業活動・生産活動再開で世界のトップを走り、投資、消費、輸出入といった主要経済指標も四半期ごとに上昇・好転している」との見方を示した。

中原銀行のチーフエコノミストで、中国国際経済交流センター学術委員会の王軍(ワン・ジュン)委員は、「グローバル経済が不安定な情勢の中で動揺している今、中国経済が他国に先駆けて安定に向かうことができたのは主に次の3点によるものだ。(1)感染症予防措置の成功(2)柔軟で適切なマクロ経済政策の調整(3)揺るぎない対外開放によって対外貿易と外資が安定し、期待が安定したことだ」との見方を示した。

中国人民大学経済研究所の劉暁光(リウ・シャオグアン)所長補佐は、「国際機関は軒並み中国経済を高く評価しており、これは一方では中国経済が力強い回復を実現したことによるものであり、他方では中国経済が外部からの打撃に対してこれまでたびたび示してきた素晴らしい対応が、中国の強大な強靱さとマクロ調整能力を示しており、今後の経済情勢への信頼感に満ちたことによるものだ」との見方を示した。

■経済の原動力が加速的に回復上昇

中国経済回復の原動力と活力は、今年の国慶節(建国記念日、10月1日)と中秋節(旧暦8月15日、今年は10月1日)が重なった連休の様子にその一端がうかがえる。統計によると、10月1日から8日までの連休に、全国の小売・外食重点モニタリング企業の売上高は約1兆6000億元(約24兆8000億円)に上り、1日あたり売上高は前年に比べて4.9%増加し、全国で受け入れた国内観光客はのべ6億3700万人に上り、比較可能なデータで計算すると前年同期比回復率は79.0%に上り、観光収入は4665億6000万元(約6兆9884億円)で、こちらも比較可能なデータで計算すると同回復率は69.9%に上った。

今年に入ってから、突如襲来した深刻な感染症に直面して、中国はその対策と経済社会の発展に総合的に対処し、「六つの安定」(雇用、金融、貿易、外資、投資、期待の安定)の取り組みを着実に行い、「六つの保障」(住民雇用、基本的民生、マーケットエンティティ、食糧・エネルギー安全、産業チェーン・サプライチェーン安定、末端の行政運営の保障)の任務を全面的に実施し、一連の困難を解消し企業を支援する政策を打ち出し、年間で約2兆5千億元の減税・費用削減を実現し、雇用の優先を強化し、投資・消費を促進し、対外貿易と外資を安定させ、産業チェーンとサプライチェーンを安定させるなどさまざまな措置を打ち出した。需要の回復増加、投資の加速、消費の回復が経済全体を牽引する力が徐々に増強していった。

今年1-8月、中国経済は目に見えて回復した。1-8月には全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の付加価値額と物品輸出の累計増加率が今年初めてプラスになり、固定資産投資の累計増加率もプラスに近づき、8月には社会消費財小売総額の同増加率が今年初めてプラスになった。このほど発表された購買担当者景気指数(PMI)データをみると、9月の3大PMIはいずれも7カ月連続の上昇で、市場の期待が改善をつづけていることがうかがえた。

税関総署がまとめた最新のデータでは、今年第1-3四半期の中国物品貿易輸出入額は23兆1200億元に達して、同0.7%増加し、累計輸出入額が今年初めて前年同期比プラスを達成した。また、第3四半期には輸出入額、輸出額、輸入額がいずれも四半期の過去最高を更新した。

王氏は、「非常に大きな内需市場、製造業のモデル転換・高度化、産業チェーン・サプライチェーンの整備、科学技術イノベーションがもたらした輸入代替産業の発展、デジタル経済、地域の協調と都市化、新たな高い水準の対外開放などが、中国経済の成長の主な原動力だ」と指摘した。

劉氏は、「感染症の大流行から現在までの間に、中国経済が実現した回復の道のりは非常に明確だ。第1四半期(1-3月)には感染症を効果的に抑制し最低ラインを死守することに成功し、第2四半期(4-6月)には企業活動・生産活動再開の下で供給がほぼ修復し、下半期には大規模な政策が全面的に力を発揮する中で需要が持続的に回復し、新たな改革のボーナスが徐々に顕在化している。中国経済は通年では四半期ごとに力強く回復を遂げ、下半期から来年上半期にかけて経済の高度成長期を迎えるものと期待される」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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