米中の科学者が新たなリチウム電池材料を発見、9分で80%充電―中国メディア

人民網日本語版    2020年10月14日(水) 6時40分

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中国科学技術大学を取材したところによると、同大の季恒星教授は米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の段鑲鋒教授らと協力し、リチウムイオン電池分野の重要な進展を実現し、黒リン複合材料を電極シートとした。

中国科学技術大学を9日に取材したところによると、同大の季恒星教授は米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の段鑲鋒教授らと協力し、リチウムイオン電池分野の重要な進展を実現し、黒リン複合材料を電極シートとした。実験室のデータによると、この電極シートは9分間で約80%まで充電できる。中国新聞網が伝えた。

この研究成果は9日、国際的に有名な学術誌「サイエンス」に掲載された。

季氏のチームは研究により、黒リンをアルカリ金属イオン電池の負極に用いることで極めて高い質量・容量が備わるが、層状構造の縁から構造破壊が始まりやすいことを発見した。科学研究者は高エネルギーボールミルにより、黒リンナノシートと黒鉛ナノシートを平行に並列させる一種の複合材料を作り、リチウムイオンエネルギーがこの複合材料の中で効率的に移動できるようにした。

論文の筆頭著者である金洪昌博士は「エネルギーはリチウムイオンと電極材料の化学反応により電池を出入りする。電極材料のリチウムイオンへの伝導力は、充電速度を左右するカギとなる」と述べた。

論文の共同筆頭著者で、中国科学院化学研究所の辛森研究員は、「われわれは一般的なプロセスルートと技術パラメータを採用し、黒リン複合材料を電極シートにした。実験室の測定結果によると、電極シートは9分間で約80%まで充電でき、2000回の使用後も90%の容量を維持できる。この材料の量産化を実現し、マッチする正極材料及びその他の補助材料などを見つけることができれば、エネルギー密度が1キロ当たり350ワット時で、そしてクイック充電能力を持つリチウムイオン電池を作れるようになるだろう」と述べた。

エネルギー密度が1キロ当たり350ワット時のリチウムイオン電池であれば、電気自動車の走行距離を1000キロに近づけることができる。テスラの「モデルS」のフル充電後の走行距離は現在、約650キロとなっている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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