<東京五輪>東京で感染拡大、「無観客」の可能性を探るべきだ―立石信雄オムロン元会長

立石信雄    2021年7月4日(日) 7時20分

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東京オリンピック開幕まで20日間を切った。東京都で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、大規模会場を無観客とする案が浮上している。専門家の意見を尊重して柔軟に対応すべきだ。写真は東京・銀座。

東京オリンピック開幕(7月23日)まで20日間を切った。東京都で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、大規模会場を無観客とする案が浮上している。東京都の小池百合子知事は「感染状況を注視しながら、無観客も軸として考える必要がある」との認識を示したという。   専門家は東京オリンピック開幕までに感染を抑制することは困難とみている。政府や大会組織委員会は厳しい現状を直視し、無観客とすることを速やかに決定すべきだろう。

 東京の新規感染者数は1週間平均で、「ステージ4(感染爆発)」の水準となっている。6月に緊急事態宣言が解除されて以降、都内の繁華街で夜間の人出が大きく増加している。 首都圏では、インドで確認され感染力が強い変異株の割合が、7月半ばに5割を超えるという試算もあるようだ。

報道によると、観客を入れることによるリスクが海外で顕在化している。6月に開幕したサッカー欧州選手権で、競技場やパブでの観戦を通じて感染が広がった。観客を入れれば、会場外でも人の流れは増える。JR東日本は五輪期間中、首都圏で深夜の臨時列車を運行すると発表したが、人出を減らす対策に逆行するのではないか。夜間の外出を促すような誤ったメッセージにもなりかねず再考を要する。

無観客の方針を早期に決断すれば、感染の再拡大への危機感が国民に共有される効果も出てくる。感染状況によっては、緊急事態宣言の発令も視野に入れる必要がある。専門家は、宣言の発令が遅れれば、医療体制が逼迫する可能性があると指摘する。活動的な若い世代の感染者が急増し、軽症・中等症向けの病床が不足することで、治療が遅れた人が重症化する恐れもある。

コロナ撲滅に決め手となるワクチン接種も、ここにきてややペースが鈍っているという気になるニュースも出始めた。東京オリンピック・パラリンピックを巡り、政府が科学的知見を軽視してはならない。事態をこれ以上悪化させないため、当初方針で突っ走ることなく「安心安全最優先」を再確認すべきだ。専門家の意見を最大限に尊重して柔軟に対応すべきであろう。

<直言篇164>



■筆者プロフィール:立石信雄 1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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