日本の政治経済学者「日中の新たなビジネス協力に期待」―中国メディア

人民網日本語版    2020年9月11日(金) 11時40分

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9月4日から9日にかけて、2020年中国国際サービス貿易交易会が北京で開催された。

9月4日から9日にかけて、2020年中国国際サービス貿易交易会が北京で開催された。新型コロナウイルス感染症発生以来、中国でオフライン形式で初めて開催された重大な国際経済貿易イベントで、148カ国・地域の企業など1万8000社から10万人以上が出展・来場の登録を行った。人民網が伝えた。

今回のサービス貿易交易会について、人民網日本駐在記者は日本の著名な政治経済学者で元参議院議員、国際未来科学研究所代表、清華大学国家戦略研究院客員研究員の浜田和幸氏にインタビューした。浜田氏は、「日中両国が科学技術の成果を共有し、この機会を通じて新たなビジネス協力の場を築くことを期待する」と述べた。

■中国のサービス産業市場の開放加速を期待

2020年サービス貿易交易会は、北京文化クリエイティブ産業博覧会、中国国際観光商品博覧会、北京国際金融博覧会、国際冬季運動(北京)博覧会など重要な展示会とコンテンツを統合し、総合展示エリア1カ所、業界別専門テーマ展示エリア8カ所、機能別サービスエリアを若干数という「1+8+N」新モデルを作り上げた。新型コロナの影響を減らすため、サービス貿易交易会ではオンライン形式での「クラウド会議」や「クラウド展示」、「クラウド商談」モデルも打ち出した。

浜田氏はこの点について、「世界的な感染症拡大という厳しい状況に直面し、各国が都市封鎖や外出自粛措置を講じているため、経済的な落ち込みや社会の分断化が深刻化している。そんな中、いち早く緊急事態を脱却し、安全対策を施した上で、大規模な国際的交易会の開催に至ったことは、『コロナに負けない』多国間のサービス貿易の流れを促進するものとして高く評価できる」と述べた。

また浜田氏は、習近平主席が開幕式で述べたあいさつについて、「中国は主にデジタル経済の発展に主眼を置いており、世界各国の関心を集めた」と評価。さらに、「習近平主席は『中国市場の一層の開放と国際協調』を訴えるもので、世界に広がりつつある自国優先の保護主義に一石を投じると共に、デジタル経済を主眼に置いた北京・天津・河北自由貿易試験区構想を表明する機会ともなり、中国の近未来国家戦略に対する世界的な関心を高めるものとなった」との見方を示し、「これを機に、中国国内のサービス産業市場の開放が加速することを期待したい」とした。

■「ポストコロナ時代」のビジネスモデルを先取り

サービス貿易交易会の成果について、浜田氏は「全世界で2600万人が感染し、その勢いが止まらない新型コロナウイルスに対し、中国企業によるワクチンや30分で感染の有無が確認できる検査キットの展示など、最新の科学、特に医療関連の研究と実用化の成果が紹介されたことは、コロナ感染が世界的に拡大する中で初の国際的なイベントとして極めて有意義な内容と言えるだろう」との見方を示した。

このほか、「関連するテーマでのフォーラムや商談にしても、オンラインとオフラインを組み合わせており、これからの『ポストコロナ時代』のビジネスモデルを先取りするものに違いない」と指摘した。

■日中の連動によるサービス貿易経験共有に期待

中国と日本が展開可能な協力について、浜田氏は、「日本は『科学技術立国』を標ぼうしており、同交易会にはキヤノン、リコー、ジャパン・デジタル、みずほ銀行、大和証券など、ITや金融業界を代表する企業が欧米企業と共に出展している」と述べた。

浜田氏はさらに、「中国の推進するサービス貿易は一国では成り立たない側面が大きい。そのため、環境、医療、金融、通信、メディア、教育など多方面にわたり、日本も欧米企業も中国企業との連携を模索している。中国のGDPに占めるサービス産業の比率は54%であり、世界水準の65%とは開きがある。このギャップを埋めるため、日本企業は健康長寿社会とIT技術の連動モデルを中国とも共有したいと願っている」と述べた。

■2022年冬季五輪の安全対策に注目

浜田氏は、「最も関心があるテーマは『スポーツ』と『コロナ対策』だ。日本は2021年に延期となった夏季オリンピックを控え、北京は2022年の冬季オリンピックに向けての準備に余念がない。今回の交易会ではウィンタースポーツを疑似体験できるバーチャル・コーナーが特設されており、人気を博しているようだ。日本の最大の関心事項は世界から集まるアスリートや観客の安全対策だ。今回の北京での交易会における感染症予防を含む安全対策は大いに参考にしたい」と述べた。

■ハイテク診断技術の活用で日中オンライン医療モデルを革新

浜田氏は、「未来産業として注目すべきは、『高齢化社会』の最前線を走る日本の介護技術とノウハウを中国の巨大な市場にどのように移転、開花させることができるかだ」と指摘。さらに、「ライフスタイルの多様化の中で、日本、中国を問わず、人々が大きな関心を寄せているのは『健康長寿』だろう。高精度AI画像診断を活かした日中オンライン医療は今後の成長の方向性となる。その萌芽が体験、確認できる場としても今回の交易会の成果を期待したい」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/AK)

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