コロナ禍で生き残りを図る日本の外食サービス産業―中国メディア

人民網日本語版    2020年8月28日(金) 7時0分

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7月以降、日本では新たな感染者数がたびたび最高を更新し、多くの人はこれまで通り外食を避けており、外食サービス産業の回復ペースは非常にゆっくりとしたものになっている。写真は横浜中華街。

少し前の夜、筆者が東京の住宅付近を散歩している時、明治通りにあって大いににぎわっていた居酒屋「花林唐」がなくなったことに気づいた。向かいのいつも行列ができていた人気ラーメン店「一風堂」も客の姿はまばらで、お隣のずっと繁盛していた居酒屋は入り口も窓もぴったりと閉まり、店内は真っ暗だった。新華社が伝えた。

筆者は家に帰る道すがら、このたびの新型コロナウイルス感染症によって本当にたくさんの日本の外食サービス企業が生死の境に直面しているのだということを思わずにはいられなかった。

第2四半期の経済データをみると、日本の国内総生産(GDP)の実質値が前年同期比27.8%減という記録を更新した。このうち外食、旅行などのサービス業の消費額が前期比12.7%減少し、初めて2けたの減少となり、年率換算すると増加率はマイナス42%になる。

緊急事態宣言が発令されていた4月と5月に、レストランが営業を停止するか、営業時間を短縮するか迫られていたことは言うまでもない。しかし日本フードサービス協会が発表したデータによると、宣言解除後の6月も同協会会員企業の売上高は前年同期の8割に届かなかったという。

業界関係者は宣言が解除されれば外食サービス産業も一息つけると思っていたが、今の状況を見ると苦しい日々はさらに長く続くとみられる。7月以降、日本では新たな感染者数がたびたび最高を更新し、多くの人はこれまで通り外食を避けており、外食サービス産業の回復ペースは非常にゆっくりとしたものになっている。

売上高が急減する中、店の家賃と人件費が避けられない重荷になり、用意した食材を売ることもできないのがまた一つの難題になっている。感染症の収束はいつになるかわからず、店を閉めて損失を食い止めようとする外食企業も出てきた。

日本経済新聞社が主要上場外食企業100社に対して行った調査によると、7月末現在、閉店を予定している店舗が1000店を超えた。うち居酒屋「甘太郎」を経営するコロワイドとワタミはそれぞれ全店舗の約1割を閉め、吉野家はグループ全体の約5%にあたる150店舗を閉店するという。

民間の信用調査会社の東京商工リサーチは最新の報告書の中で、7月はインバウンド需要に回復の兆しが見られないこと、日本人が引き続き外出・外食に慎重な態度であることから、サービス業が今後も破産・倒産の状況が最も深刻な産業になるとみられ、負債額1000万円以上の倒産は789件に上り、前年同期比16.9%増加したことを明らかにした。

外食サービス企業の大量倒産・閉店は、日本経済復興の足を引っ張ることは確実だ。外食産業は労働集約型産業で雇用吸収力が高く、日本の全就業者数の5%を占める。店が閉店を選択すれば失業者が増え、社会保障、世帯収入、個人消費などにも影響が出る。

客に安心して食事をしてもらうため、多くのレストランが消毒作業を強化するだけでなく、主体的に席数を減らしたり、透明のアクリルボードを設置したりして、客同士が一定の間隔を保てるようにしている。高級レストランも弁当の販売を始めたところが多く、デリバリーサービスを提供するところもある。

チェーン居酒屋のワタミが新たにオープンした焼肉店では、電子タッチパネルで注文するほか、回転寿司のようなレーンが料理を運び、客と店員との接触を減らしている。

モスバーガーは感染症が長期化すると考え、感染症と共存する新しいビジネスモデルを模索し始めた。7月には遠隔操作ができる分身ロボットによる接客のテストを開始し、ロボットが店員に代わって店内を動き回り、音声で注文を受けるサービスを提供している。こうすれば接触を減らすとともに、人件費も引き下げることができる。

チェーン居酒屋「塚田農場」は人件費節約のため、従業員を小売業、農業など人手不足の業界に送り込み、この「従業員シェア」を通じてコストの節約をはかる。現在、こうした「従業員シェア」が航空サービス、観光、農業などの業界やベンチャー型企業で流行っており、企業の力を残しつつ、ともに難関を乗り切るための新たな選択肢となっている。

日本経済が低迷する中、筆者の友人は日本での生活に見切りをつけ、帰国することにした。帰国前に数人で集まりたいが、感染症が続く中、人々はできるだけ外出を控えており、こんなささやかな願いも実現は難しそうだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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