2020年8月20日、韓国・国民日報によると、韓国の外交官からセクハラ被害を受けたニュージーランドの男性が文在寅（ムン・ジェイン）大統領に書簡を送り、「公正かつ正当な手続きが行われるようにしてほしい」と訴えた。

記事によると、男性は法定代理人を通じて文大統領宛の書簡を大統領府に送った。男性は自身を「韓国外交官の被害者」と紹介し、韓国外交部が今回のセクハラ事件を処理する過程で、自身の弁護士立ち合いのもとで調査官に発言する機会を与えたなかったと主張した。その上で、今回の事件を独立した機関に調査させるよう要求し、「外交部との再議を試みたが一切回答がない。（今回の事件で受けた）苦痛、屈辱、傷つけられたプライドについて分かってほしい」と訴えたという。

当該外交官は駐ニュージーランド大使館に勤務していた17年に現地の職員男性にセクハラ行為を行った疑いが持たれている。

外交官は現地の司法当局による調査が始まる前の18年2月に任期満了により帰国。その後、韓国外交部は独自監査を行い、外交官に減給1カ月の処分を下した。しかし男性が現地警察に通報したため現地の司法当局は外交官に対する逮捕状を発付し、韓国外交部に捜査協力を要請した。これに対し外交部は「外交官免責特権」などを理由に一貫して非協力的な態度を見せ、先月28日には首脳会談でジャシンダ・アーダーン首相が文大統領に問題提起をする「異例の事態」も発生していたという。

これに韓国のネットユーザーからは「性犯罪者を擁護するなんて恥ずかし過ぎる」「外交官を早くニュージーランドに送るべきだ」「現政権はセクハラ問題に無頓着過ぎる」など韓国外交部の対応に批判の声が続出している。

また、当該外交官に対しても「外交官は国の顔であり、品格だ。セクハラで韓国の格を下げるなんて絶対に許せない」「韓国でなら同性間のスキンシップは許されるけど、外交官がその国の文化を知らないのはまずい。それに、問題になったときにすぐに謝罪して解決するべきだった。外交官としての資格が足りない」などと厳しい声が上がっている。

一方で「その国の大統領に外交官の特権を無視しろと言うなんて」「韓国の大統領に対して失礼な行為だ」「文大統領に言うことじゃない」と指摘する声も見られた。（翻訳・編集/堂本）