中国の数十年で最大規模の水害、経済に与える影響はわずか―米メディア

Record China    2020年8月11日(火) 5時20分

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10日、環球時報は米誌フォーチュンの記事を引用し、中国で発生した水害が中国経済に与える影響について分析する記事を掲載した。

2020年8月10日、環球時報は米誌フォーチュンの記事を引用し、中国で発生した水害が中国経済に与える影響について分析する記事を掲載した。

記事は、中国の中南部で5月から7月にかけて発生した豪雨で、158人が死亡または行方不明となり、400万人以上が避難したと紹介。ここ数十年で最大規模の自然災害となったが、「経済に対する影響はそれほど大きくない」と分析した。

シンガポール国立大学東アジア研究所のリー・ヤオ氏は、「洪水が中国の2020年の国内総生産(GDP)を0.17%押し下げる」と予想しており、この損失はこれまでの危機と比べて非常に小さいとしている。リー氏は「中国にとって洪水による経済全体の損失を埋め合わせることは難しいことではない」との見方を示した。

洪水が中国経済に与える影響が微々たるものとなっているのは決して偶然ではないと記事は指摘。「中国は新たな湿地を育て、新しいダムを建設することでこの種の脅威に対応してきた。新たに建設された施設は都市や工業の中心を守り、田畑や農村が犠牲となった」としている。

記事によると、中国で最も破壊的な水害が発生したのは1998年で、この年の水害はGDPを1.9%押し下げたという。しかし、2016年の水害ではGDPを0.3%下げたに過ぎなかった。そして「今年の水害が経済に与える悪影響はさらに小さい見込み」と記事は紹介。しかし「最終的に経済に与える影響を試算するのは時期尚早」とリー氏は述べている。

記事は、「長江流域は重要な農業とインフラの中心地で、自動車や医療設備、鉄鋼などの工場がある」と紹介。今のところこの地区のサプライチェーンが受けた水害による影響は大きくはなく、洗濯洗剤やシャンプー、医療用マスクなどの商品のサプライチェーンに影響が出てはいるが、その他の地区で補うことができるとしている。

金融サービス会社のストーンXグループのアナリストは、「洪水の影響で7月下旬の中国の野菜や豚肉価格が高騰した。洪水の打撃が最も大きいのは当該地区で多く作られる米だろう。しかし、菜種や小麦は洪水前に収穫を終えていたので被害を免れた」と述べている。全体的には「市場は洪水による物不足をそれほど心配していない」と記事は結んだ。(翻訳・編集/山中)

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