中国で「朝鮮戦争」題材のドラマ放送指示、対米関係悪化が背景か

Record China    2020年7月31日(金) 10時40分

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中国政府は全国の関連部門に向け、朝鮮戦争などを題材にしたテレビドラマを放送するよう指示した。米関係の悪化を念頭に置いたとの見方が出ている。写真は遼寧省丹東市にある「抗美援朝紀念館(朝鮮戦争記念館)」。

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中国政府は全国の関連部門に向け、抗日戦争や朝鮮戦争などを題材にしたテレビドラマを放送するよう指示し、同時に内容面の注意点も通告した。朝鮮戦争に言及したことは、対米関係の悪化を念頭に置いたものとの見方が出ている。

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中国政府・国家広播電視総局(広電総局、ラジオテレビ総局)が17日に全国の関連部門を招集して開催したテレビ電話会議で、抗日戦争や朝鮮戦争、新型コロナウイルス感染症との闘いを「重点題材」として、放送を手配するよう指示した。

内容面の注意点としては、中国人の感動的な行動を描くなど思想上の価値が高い作品であること、中国共産党や国家の大事業に関わる手配であることをしっかりと理解し、放送や再放送に当たっては各地で作品の事前審査を厳しく行うことなどを求めた。

中国メディアの澎湃新聞は2020年7月28日付で同話題を扱う記事を掲載した。同記事は、中国ではこれまで長期にわたって「朝鮮戦争」を扱ったテレビドラマが放送されてこなかったとして、同題材のテレビドラマが「解禁」されたことは、「米中貿易戦争」がエスカレートして、経済や貿易分野以外の各分野でも対立がエスカレートしたことが、映画やテレビ業界にも影響したとの見方を示した。

なお、習近平国家主席も7月22日に、国共内戦の激戦地だった吉林省の四平に設けられた記念館を参観した際に、中国共産党の革命運動を振り返って、国民党との闘争や抗日戦争だけでなく、朝鮮戦争を含めて、「革命烈士」が流した血によって新たな中国が築かれたと言及した。

中国では朝鮮戦争が多くの場合、「抗美援朝(米国に抵抗、北朝鮮を援助)」の語で呼ばれており、この名称だけで自国が米国と戦ったことを改めて強く意識させることになる。また、朝鮮戦争が勃発したのは1950年6月で、中国が「中国人民志願軍」として自国軍を朝鮮半島に送ったのは同年10月だった。

中国が朝鮮戦争に参戦したのは1949年10月1日に中華人民共和国が発足を宣言してからわずか1年後であり、国として極めて厳しい状況にあった中で、世界最強の米軍を中心とする敵軍を相手に中朝国境まで北上していた戦線を北緯38度付近まで押し戻したことは、多くの中国人に「誇るべき記憶」として残っている。(如月隼人

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