炭層ガスが「ダイヤモンド」に!太原理工大チームが成功―中国

人民網日本語版    2020年7月29日(水) 7時50分

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太原理工大学の于盛旺教授が6年の歳月を投じた研究により、このほど炭層ガス(コールベッドメタン)からダイヤモンドを人工的に製造することに成功した。写真は太原理工大学。

ボイラー室を改造した実験室で、8万元(約120万円)のプロジェクトスタート資金から始まった。太原理工大学の于盛旺(ユー・ワンション)教授が6年の歳月を投じた研究により、このほど炭層ガス(コールベッドメタン)からダイヤモンドを人工的に製造することに成功した。この技術イノベーションの高い将来性に注目して、山西省の大手石炭企業の陽煤集団が3億5000万元(約52億5000万円)を出資して、同大学と山西新炭超硬材料科技有限公司を設立し、これにより「炭層ガスからダイヤモンドを製造する」プロジェクトの産業化と普及応用が加速され、同省の炭層ガス資源は「カラット単位のバリューチェーン」を見いだすことになった。光明日報が伝えた。

于教授の説明では、「ダイヤは自然界で最も硬い物質で、『21世紀の戦略的材料』などと呼ばれる。中国は人工的に製造する技術で出遅れ、海外が先端製品の封鎖を実施する中、中国はこの合成ダイヤの独自開発を海外の独占状態を打破するための戦略的難関攻略プロジェクトと位置づけた」という。

于教授は、「経費を節約するため、自分たちでシミュレーションをし、部品を特注し、その部品を自分たちの手で組み立てた。現在の実験室の設備の80%は自分たちで独自に製作したもので、この製造ラインを利用して、コストを70%抑えることができた」と話した。

努力は必ず報われる。于教授のチームは2014年に長時間連続製造が可能な第1世代高効率マイクロ波プラズマ化学気相成長ダイヤモンド製造装置を設計・製造し、炭層ガスをダイヤモンド製造のための電力の燃料ガスと反応の原料ガスに変え、反応後の低炭素の排出ガスを再び電力の燃料アシストガスに変え、炭層ガスの閉鎖循環型の応用を実現した。

于教授は、「私たちは今、一番低いレベルの1カラットのダイヤを作るのに10立方メートルの炭層ガスが必要で、コストは約30元(約450円)だ。1カラットのダイヤの販売価格は最低でも200元(約3000円)で、6倍以上の付加価値がつくことになる。現在の装置はすでに第5世代になり、世界の同類装置と比べて、製造コストは何分の一かで済む一方で、同類のダイヤ製造に比べて効率が2倍から4倍に上昇した」と述べた。

于教授のチームは大学の支援に感謝して、開発した装置を同大の英語略称の「TYUT」と名付けた。同装置と関連技術は国の発明特許を取得した。わずか6年間で、実験室の固定資産の付加価値は1000倍以上になり、出願した特許は30件に迫った。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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