「オーバー30女性」は仕事のチャンスがどれくらいあるか?

人民網日本語版    2020年7月10日(金) 23時50分

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中国で「オーバー30女性」の仕事でのキャリアアップに関心が集まり、議論が起きている。

最近、バラエティ番組の「風に乗り浪を破る姉さんたち」が大人気だ。出演する女性メンバーが全員30歳を超えていることから、人々の間で「オーバー30女性」の仕事でのキャリアアップに関心が集まり、議論が起きている。現実の暮らしの中では、働く女性の多くが、30歳を過ぎると家庭と仕事のバランス、仕事でのモデル転換といった問題に直面する。30歳は働く女性にとって1つの関門なのだろうか。

中国青年報社会調査センターがこのほど問巻網と共同で、働く人1973人を対象に調査を行った結果、86.2%が「周りにいる30歳以上の女性の多くは仕事でのチャンスが激減していると感じる」と答えた。女性が直面する問題は主に昇進のチャンスがなかなか得られないこと、重要な仕事は任されず人事異動もないことだ。53.9%が「優遇政策を打ち出して雇用機関が社会的責任を果たすよう奨励して欲しい」と答えた。

86.2%「周りのオーバー30女性は仕事でのチャンスが激減している」

上海の外資系企業で働く程静さん(仮名)は今年35歳で、2歳の子どもがいる。程さんの印象では、子どもを身ごもってから、仕事で妥協せざるを得なくなった。「妊娠初期に、重大プロジェクトでチームを作ることになった。自分は強い興味があり、他の人より経験もあると思っていたが、出産予定日とプロジェクト執行時期が重なり、チームに入れてもらえなかった」という。産休が明けて復帰すると、既存のプロジェクトに後から入ることはできず、エネルギーの一部は子どもに当てなければならず、退社すれば急いで家に帰らなければならなかった。新しいプロジェクトでは、重要な仕事を引き受けられるかどうか不安で、補助的な仕事をするしかなかった。

「会社の上層部に女性はほおんどおらず、男性ばかりだ。少し前に女性の同僚が産休期間中に配置転換された。『みんな自分の仕事があって余裕がない』状態で、現場では誰かが責任を取らなければならないし、会社も正常に運営されなければならない」。このように話す29歳の胡茗菲さん(仮名)は最近、結婚の予定を立てつつ、転職のこともずっと考えてきた。「うちの会社は女性の昇進ルートが明らかに狭く、階層が上にいけばいくほど女性が少なくなる。早くから仕事でガラスの天井にぶつかるなんてまっぴら」という。

胡さんは最近、いくつかの企業の面接を受けた。面接官は結婚の予定はとか、子どもはいつ頃ほしいかなどと、ずけずけ聞いてきたという。「ある企業では最初は非常にいい感じで話が進み、仕事のキャリアや得意分野などは条件にぴったりだったが、いつ結婚するのかと聞かれて、予定があると答えると、雰囲気が一変して、結局採用には至らなかった。今少し焦っていて、早く転職しなければと思っている。結婚した後では転職市場からもっと『排除』されるだろう」と胡さん。

「うちの会社は収入と能力給が連動しており、収入の大部分が能力給によるものだ。産休を取ると、毎月基本給しかもらえず、家賃を払うのも難しい」。北京の民間企業に勤める張■■(女へんに亭)さん(仮名)はこのように話した。

調査回答者の86.2%が「周りにいるオーバー30女性の多くは仕事でのチャンスが激減していると感じる」と答えた。さらにこのうち22.5%が「非常に多くの30歳以上の女性がそうだ」と回答した。

それでは30歳以上が女性は仕事でよく直面する問題は何か。「昇進のチャンスがなかなか得られない」(62.8%)がトップで、このほか「重要な仕事は任されず人事異動もない」(59.7%)、「産休中に配置転換され、減給された」(51.3%)、「閑職に追いやられた」(39.1%)、「新人と交替させられた」(31.3%)などがある。

上海市弁護士協会労働関係研究委員会の委員を務める上海遠業弁護士事務所の温陳静代表は、「30歳を過ぎた頃は、働く女性にとって出産や子育てのピークの時期だ。我々が気づいたところでは、多くの女性がこの時期には、仕事のために出産を遅らせるか、出産・子育てのために仕事から離れるかしている」との見方を示した。

77.6%「オーバー30女性は勉強を続けるべき」

胡さんによると、「30歳は仕事の黄金発展期だ。新人より仕事をよく知っていて慎重であり、上の世代より可塑性が高く苦しいことにも耐えられる。60歳で退職するなら、30歳は職場での上昇期が始まったところだ。社会の発展・進歩にともなって、より多くのリーダーのポジションに女性の姿が見られるようになると信じている」という。

調査では、91.5%が「オーバー30女性も他の活躍する人と同じように職場で輝くことができる」との見方を示した。

張さんは、「自分は、女性は自分の興味や特長を大切にし、より多くのキャリアアップの可能性を探るべきだと思う。『芸は身を助ける』で、仕事の道が広がれば広がるほど選択肢も多くなる。女性は常に勉強して新しい知識を得て、社会から取り残されないようにしなければだめだ。家庭のことにかまけて自分磨きをやめてはいけない」と述べた。

程さんは、「子どもの教育では、適度に手を放して、自分のための時間を確保することを覚える必要がある。母親は主体的にパートナーと協力分担し、負担を一緒に背負えば、プレッシャーはかなり小さくなる。また父親の協力は子どもの性格形成にも重要な影響を及ぼす」と述べた。

職場でよりよくキャリアアップしたいなら、オーバー30女性は何をすればいいのだろうか。70.6%の人が「勉強を続け、時代ととともに進むこと」を挙げ、65.4%が「自分に限界を設けず、積極的に努力して前に進むこと」とし、59.2%が「自分のコア競争力を養成し向上させること」とアドバイスし、52.8%が「家族とコミュニケーションを取って協力・分担し、家庭に対する責任を家族とともに担うこと」が大切だとした。

今回の調査の回答者は、女性が62.7%、男性が37.3%。居住地域は一線都市が31.0%、二線都市が52.4%、三線・四線都市が14.7%、小都市・県の行政中心地が1.7%、農村が0.2%だった。(編集KS)

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