ありのままの武漢を撮影し世界を感動させた竹内亮監督

人民網日本語版    2020年7月4日(土) 13時50分

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6月30日、日本のテレビ局の朝のニュースで、ロックダウン解除後の湖北省武漢市の現状を紹介するドキュメンタリー「お久しぶりです、武漢」が紹介された。

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6月30日、日本のテレビ局の朝のニュースで、ロックダウン解除後の湖北省武漢市の現状を紹介するドキュメンタリー「お久しぶりです、武漢」が紹介された。同ドキュメンタリーを制作したのは、今年3月にショートフィルム「緊急ルポ 新規感染者ゼロの街 新型コロナ封じ込め徹底する中国・南京を歩く」を制作して、中日両国で大きな話題となった竹内亮監督だ。同ショートフィルムの第一部は日本最大のサイト・ヤフージャパンのホームページで紹介されたほか、朝日テレビやTBS、フジテレビなどの各大手テレビ局が何度も紹介した。竹内監督は今回、「お久しぶりです、武漢」を通して、日本のネットユーザーに、自分が客観的に見た武漢の現状を紹介している。人民網が報じた。

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「ありのままの武漢を世界の人々に見てもらいたかった」。南京に住むドキュメンタリー監督の竹内監督は、武漢を10日間訪問して、10家族の10のエピソードを撮影し、一般の人のエピソードを通して、武漢の新型コロナウイルスとの闘いの過程と、収束後の回復状況を描き出している。竹内監督は「このドキュメンタリーを制作した一番の目的は、武漢の現状を世界に紹介すること。中国国内の人だけでなく、世界中の人に見てもらいたい」と語る。そのため、外国人が知りたがっている感染源となった華南海鮮市場やわずか数日で建設された新型コロナ専門の臨時病院の雷神山医院、新型コロナウイルスに感染し犠牲となった人の遺族、医療関係者などが次々登場する。

竹内監督が制作するドキュメンタリーは、日本のオーソドックスなドキュメンタリーとは全く異なる。オーソドックスなドキュメンタリーでは、監督が登場することは基本的になく、台本づくりや編集を通して自分の考えを表現する。一方、竹内監督のドキュメンタリーは実際に撮影する時には台本はなく、前もって予定している方向性もない。今回の「お久しぶりです、武漢」も同じだ。武漢に実際に到着するまで、武漢の実際の状況は知らず、撮影対象との会話、交流も、自然な流れで記録されたノンフィクションだ。

「お久しぶりです、武漢」の撮影対象は竹内監督が5月中旬に微博(ウェイボー)を通じて募集を行った。制作チームは最終的に、応募した約100人の中から、各業界で働く「普通の人」10人に対象を絞り、取材した。10人の中には、133日間の休業を経て、営業を再開した日本料理の居酒屋オーナーの頼韵さん、武漢の文化をドローンなどを使って撮影し、世界の人々に紹介する中学校の英語教師、100日以上離れ離れになり、ついに再会したカップル、カメラをヘルメットに付けて自分が見たものを記録し続けたデリバリー配達員の計さん、歌とダンスで新型コロナウイルス感染患者を励まし続けた看護師の■勝男さん(■は龍のしたに共)などが含まれており、新型コロナウイルス感染拡大が一般の人々にもたらした恐怖と悲しみ、それに勇敢に、そして確固として立ち向かった様子がリアルに描かれている。ごく普通の家庭で実際にあったこうしたエピソードは、武漢のここ数カ月間の特殊な記憶であり、それらの記憶が竹内監督のドキュメンタリーによって表現され、記録されている。

竹内監督は取材に対して、「たくさんの日本人が『お久しぶりです、武漢』を見て、『武漢はこんなに発展していたんだ』、『武漢ってこんなに美しい都市だったんだ』といった感想を寄せてくれた。つまり、そのような人の武漢に対する印象は恐らく1月や2月の武漢のイメージのまま止まっているということで、新型コロナウイルス感染が拡大した時の武漢しか見たことがないということだ。そのため、今でも多くの人が武漢は依然として危険な都市だと思っている」と話した。

「武漢に行ったのは、今回の撮影が初めてではない。どちらかと言えば、武漢のことはよく知っている。しかし、新型コロナウイルスが収束してから行った今回の旅で、武漢の『美』を再認識した。美しい景色もあれば、美食もある。そして、武漢はとても安全だ。中国政府は武漢の市民1000万人を対象にPCR検査を実施した。だから、武漢の人々はみんな、今安心して暮らすことができている」。

6月26日夜、「お久しぶりです、武漢」は微博やBilibili(ビリビリ)などのプラットホームで配信が始まった。配信スタート前、竹内監督と制作チームは、「今は1分ほどのショート動画を好む人が多いのに、この約1時間の作品を見てくれる人はいるのだろうか」と不安を抱いていた。ところが、驚いたことに24時間もしないうちに、微博での転載回数は14万回を超え、再生回数は約2000万回に達した。また、ドキュメンタリーの日本語版も動画共有サイト・YouTubeで配信され、当稿執筆時点で、その再生回数は31万回に達している。

仰々しいセリフも、特に飾り付けたような修飾もないものの、竹内監督は映像を通して、視聴者にリアルな武漢を紹介し、人の心を感動させる物語を描き出している。ある日本のネットユーザーは、「Twitterで知って作品を見た。日本も都市部から地方に行くと差別の対象になったりするので実家に帰省できない人もいて、結局のところコロナが出た地域は大なり小なり差別を受ける心配をしているし、みんなインターネット以外の情報はわからないし、みんな経済的に不安だし、武漢だからとかではなく、自分の身の周りに起きている事がそっくりそのままで、世界がそうなっちゃったんだっていうのがすごくリアルに感じられた」と綴っている。

たくさんの日本のネットユーザーが、「このドキュメンタリーを見て、武漢を見に行きたくなった」との声を寄せ、映し出されている武漢の庶民の生活を映像で見て、「素晴らしいドキュメンタリーだ!何度も涙がこぼれた。武漢の今を見せてくれてありがとう」との声も寄せられている。竹内監督が最も感動しているのは、武漢のネットユーザーから、「これが最もありのままの武漢」というメッセージが寄せられていることで、竹内監督は、「とても光栄に感じ、肩の荷が下りた」と話す。

竹内監督は人民網の取材に対して、「このドキュメンタリーを制作して、日本の人々に伝えたかったメッセージはただ一つで、今の本当の武漢、リアルな武漢を知ってほしい、それだけ。視聴者がこれを見終わると、自然と自分の見解を持つようになるが、映像を見てどう思うかは見る人が決めることで、僕が決めることではない。でも、僕ができることは、できる限りのことをして、日本人に客観的でリアルな武漢を見てもらうことだ。みんなの偏見を取り除き、現状を理解してもらいたい」と話した。

また、「アフターコロナに、中国でどんな新たな撮影計画があるのか?どんな夢をかなえたいか?」との質問に対して、竹内監督は、「アフターコロナというのも、僕たちが今後撮影したいテーマだ。今回の新型コロナウイルス感染拡大を経験して、人々の生活、仕事のやり方なども大きく変化した。そして、新たな技術がどんどん登場し、人々は人生についてよく考えなおすようになっている。機会があれば、撮影を通して、この時代の新たな変化を記録したい」としたほか、「状況が許せば、今年の11月か12月に、もう一度武漢に行って、1年に一度のファンミーティングを開催したい」と今後の計画も語った。 (編集KN)

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