4億人に迫る中国の2次元ユーザー、漫画アニメ産業に新たなチャンス?―中国メディア

人民網日本語版    2020年5月30日(土) 7時20分

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中国の2次元ユーザーが20年に4億人の大台を突破する見込みだという。写真は中国アニメ「獅子学獅」。

5月26日、艾瑞諮詢(iResearch)が公式微信(WeChat)アカウントを通じて、「2020年中国漫画アニメ産業研究報告」を発表した。それによると、2次元ユーザーが20年に4億人の大台を突破する見込みだが、これまで高い成長率を維持してきたオンライン漫画アニメ産業は広告主の予算が削られ、資本の同産業に対する興味が急速に減退し、ユーザーの増加がボトルネックに直面したなどのマイナス影響を受けて挑戦に直面しており、各方面の参入者は多様化した有料モデルなどをよりどころにビジネス収益化の新たなチャンスを探っている。北京商報が伝えた。

ここ数年、「西遊記 ヒーロ・イズ・バック(原題:西遊記之大聖帰来)」、「ナーザ 魔童降世(原題:哪吒之魔童降世)、「大魚海棠」、「白蛇:縁起」などの国産アニメ映画が人気を集めると、漫画アニメ産業に新たな波が起こった。2019年の中国漫画アニメ産業の規模は1941億元(約2兆9100億円)で、漫画アニメサイトは約402に達した。

これと同時に、モバイルインターネットの発展・普及の恩恵を受けて、インターネット大手が相次いで漫画アニメ産業で事業を展開するようになり、この競争の激しいレッドオーシャンでシェアを獲得しようとしている。騰訊(テンセント)、網易、愛奇芸、bilibili(ビリビリ)などのプラットフォーム型企業と光線伝媒、万達伝媒を中心とした映画会社による汎娯楽産業への資本投入は、中国漫画アニメ産業の急速な発展を後押しした。

同報告の指摘によると、オンライン漫画アニメプラットフォームが誕生し、2次元サブカルチャーが若い世代の中で広がり、14-17年には中国の汎2次元ユーザーは急速に増加し、14年の1億5000万人が17年は3億1000万人と倍増した。ネットの人口ボーナスとアクセス数のボーナスが徐々に消滅し、現在は汎2次元ユーザーの規模も安定増加期に入り、今年は2次元ユーザーが4億人を突破することが予想される。

ユーザーの増加が緩やかになると同時に、中国のオンライン漫画アニメ市場の規模も高度成長期から安定成長期へと移行した。データをみると、中国オンラインアニメ市場とオンライン漫画市場は15年に高度成長期に入り、成長率はアニメが313.7%、漫画が82.5%に達し、18年には安定成長期に移行しながら、成長率はいずれも15%以上を維持した。

艾瑞諮詢は同報告の中で、「中国国内のオンライン漫画アニメ市場の規模は現在は成長率が鈍化する流れで、これは主に経済環境の影響によるものだ。データをみると、19年の中国漫画アニメ業界関連の投融資は件数も金額も大幅に減少し、18年の投資は73件で資金調達額が75億5000万元(約1132億5000万円)だったのが、19年は32件にとどまり、金額も21億1000万元(約316億5000万円)に減少した」と指摘した。

ネット伝達アナリストの鍾倩(ジン・チエン)氏は、「みんなが殺到することから、融資の明らかな減少に至ったのは、実質的には投資者さらには漫画アニメ産業市場全体が落ち着きを取り戻していることを示している。ここ数年の漫画アニメ産業には高度成長を遂げながら品質的にばらつきがあるという現象が見られ、漫画アニメ企業の多くは十分な市場シェアと経営能力を得ることができず、最終的には市場から淘汰された。現在、中国国内の漫画アニメ市場はまだ持続的に開拓されている状態だが、ネットの人口ボーナスが消滅すると、オンライン漫画アニメ産業はより激しい市場競争に直面することになり、プラットフォーム運営モデルとプラットフォーム輸出コンテンツで絶えずイノベーションを遂げて、市場ニーズに合致したオンライン漫画アニメプラットフォームしか根を下ろして生き残ることはできない」と述べた。

市場全体の発展の背景に向き合って、各方面の参入者も運営モデルのイノベーションと多様化した支払いモデルのイノベーションを進めている。現在、オンライン漫画アニメコンテンツのユーザーの料金支払い方法は主に2種類あり、1つは料金を支払って制限を解除して閲覧・視聴するというもので、仮想通貨をチャージしそれを使って制限解除に必要な料金を支払う。もう1つはVIP会員モデルで、料金を支払ってVIP会員になり、有効期間内はVIP会員向け漫画アニメコンテンツやその他の形式の特典(優先視聴、高精細画質など)を利用できるというもので、一定の時間的制限がある。この2種類の外、たとえばオンライン漫画アニメプラットフォームは漫画カードなど他のタイプの有料付加価値モデルも試行しており、読者がカードを引いて全種類を集めたり料金を支払ったりすると、普段は手に入らない特別なカードをもらえるといったモデルもある。

鍾氏は、「カードは漫画アニメ作品の派生グッズで、熱心なファンにとって、関連グッズを集めるのは当たり前のことであり、カードモデルは漫画アニメのユーザーに受けいれられやすい。また、オンライン漫画アニメプラットフォームは多様な料金支払いモデルを模索する中で、ユーザーの特性に焦点を当て、特に汎2次元ユーザーの中心層である95後(1995年から1999年生まれ)の新世代が、質の高いコンテンツに料金を支払うという特徴があることを重視する必要がある。そのため質の高い派生コンテンツを打ち出すことがユーザーの支払いモデルを刷新するための重要なルートになる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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