日本がウイルス制御に成功した理由は?「これをやり遂げるのは簡単ではない」―中国メディア

Record China    2020年5月28日(木) 17時40分

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中国メディアの中国経済網は27日、「日本は防疫に成功したのか」と題する記事を掲載。緊急事態宣言が全面解除となった日本の状況と課題を伝えた。写真は東京。

中国メディアの中国経済網は27日、「日本は防疫に成功したのか」と題する記事を掲載。緊急事態宣言が全面解除となった日本の状況を伝えた。

記事は、緊急事態宣言が25日に全面解除になったことについて、「日本国民の思いは複雑だ。正常な仕事や生活が乱され、全面解除を待ちわびていた一方、第2波、第3波が訪れた場合はさらに大きな苦難を味わうことになる」とし、「日本の専門家も繰り返し、緊急事態宣言後も警戒を緩めてはならないと呼び掛けている」とした。

その上で、「安倍首相は日本の緊急事態宣言の全面解除には非常に慎重になっていた」と指摘。「感染拡大以降、安倍政権は日本の世論の強烈な批判にさらされていた。批判は主に、自国や周辺国が危険な状況にある中で東京五輪の開催にこだわったためウイルス対策を進めず、ひいては検査をしないという方法で故意に感染状況を隠そうとしたことで、感染者と死者数を増やしたことを非難するものだ。安倍首相本人は否定しているが、こうした批判の声はやむことはない」と続けた。

記事はその後の日本の経過について、「3月末に五輪延期が決定すると、日本は検査を強化して感染者が大幅に増加した。世論の圧力を受けて安倍首相は4月7日に7都道府県で緊急事態を宣言し、16日に全国に拡大した。ゴールデンウィーク(GW)にはこらえきれなくなった日本人が外出し、政府に緊急事態宣言の解除を求め始めた。しかし、安倍首相は熟慮を重ねて5月末まで宣言を延長した。そして14日、世論の圧力を受けて、日本の多くの地域で緊急事態宣言を解除した」と説明した。

■窮地に陥る安倍首相

記事は、安倍首相について「民意を観察することに長けている」と指摘。専門家の意見を十分に聞きながら段階的に宣言を解除したことを挙げ、「今後ウイルスの拡大が再燃したとしても、少なくともその責任を全てかぶることはなくなった」と評した。

一方で、「安倍政権は、ウイルスが日本から消えたわけではなく、ただ一時的に抑えられているだけであるということをよく認識している」とも指摘。宣言解除後も段階的な活動の再開や、引き続き「三密」を避けることなどを呼び掛け、ソーシャルディスタンスを保った「新しい生活様式」を提案していることを伝えた。

■日本のウイルス対策は法律の制約を受ける

記事は、「日本のウイルス対策は法律の制限を受けるため、全体的には決して厳しい措置ではない。しかし、日本の対策は成功したと言うべきだろう」とし、「一時は感染拡大を招いたものの、緊急事態宣言後は早期にコントロールすることができた。人口当たりの感染者数も世界で比較的少ない方に落ち着いてきた。830人(25日時点)という死者数は少なくはないが、死亡率はやはり低い」と評した。

その上で、「安倍首相は日本の防疫モデルと成果に胸を張っており、緊急事態宣言を解除する際には厳しい制限のない措置の下での成功を強調した」とし、結果を見る限りでは「安倍首相が言っていることは基本的に事実であろう」とした。

一方で、「日本がウイルスの抑え込みに成功したのは、日本国民の自律と自粛の姿勢が大いに関係しているとの見方もある」とし、「政府の要請を受け、日本人は各地で自主的にそれを順守した。日本の国土面積は広くはないが都道府県は47あり、移動は容易だ。ウイルス感染が拡大してからは、緊急でない都道府県をまたぐ移動は控えてほしいという呼びかけを多くの人が守った。これをやり遂げるのは簡単なことではない」とした。

■日本の民間の援助

記事は、「日本の民間の援助は称賛に値する」とし、政府の対策と同時に「日本社会の相互扶助が素晴らしい効果を発揮した」と指摘。石川県金沢市の宿泊施設がコロナの影響で帰国が困難になった外国人らに宿泊場所を無償で提供したことや、大阪大学が帰国できずに困窮する外国人留学生などに宿泊施設や食事を支援したことを紹介し、「地震などの災害に直面した時に互いに助け合うのと同じだ」とした。

記事は最後に、「引き続いてのウイルス対策と経済発展が、安倍首相が直面する2つの大きな課題だ。憲法改正をはじめ、今年中に進めたい重要な政治案件がたくさんあったが、新型コロナウイルスの影響で泡となった。ウイルスの再燃を抑えられれば、安倍首相にとっては十分に幸いなことだろう」と論じた。(翻訳・編集/北田

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