国産ジェット旅客機、コロナ禍でさらに「視界不良」に、中国のライバル機は順調に運航重ねる

Record China    2020年5月24日(日) 12時30分

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国産初のジェット旅客機「スペースジェット」の開発がコロナ禍の影響でさらに「視界不良」に陥っている。一方で中国のライバル機「ARJ21」は順調に運航を重ねている。写真はARJ21。

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国産初のジェット旅客機「スペースジェット」の開発がさらに「視界不良」に陥っている。コロナ禍による入国制限などでテスト飛行を行う米国に試験機を運べなくなったためだ。一方で中国のライバル機「ARJ21」は昨年10月末、国際線に初就航して以来、順調に運航を重ねている。

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スペースジェットは三菱重工業の100%子会社である三菱航空機が開発を進めている。当初計画の90席級のほか、米国市場をにらんで一回り小さい70席級も最近になってラインアップに加えられた。

スペースジェットの当初の名称は「MRJ」。YS11以来となる国産民間旅客機として2008年に全日空から受注を受けて生産を開始したが、胴体と主翼の設計変更などが重なり、15年11月、ようやく初飛行にこぎ着けた。その後も飛行中の空調システムの不具合、機体を制御する電子機器の配置見直しなどが相次ぎ、13年の予定だった量産機の納入は大幅に遅れている。納入延期はこれまでに6回を数え、90席級は20年半ば、70席級は23年の納入を目指していた。

最新の試験機(10号機)は今年3月、名古屋空港で初飛行。4月には試験飛行拠点の米国西海岸ワシントン州の空港に送る予定だったが、新型コロナ感染拡大に伴う入国制限の影響で途中の給油空港の使用許可が出ず、まだ名古屋空港に留め置かれている。

三菱重工の泉沢清次社長は11日の20年3月期決算会見で「スペースジェット事業に甚大な影響が出ていることは間違いない。新試験機の米国行きの予定はまだ立たず、全体のスケジュールを精査している」と述べ、新型コロナの収束いかんが、納入時期にも大きく影響する可能性を示唆した。

中国商用飛機有限責任公司が開発したARJ21は短距離の新型ターボファン支線旅客機で、標準航続距離は2225キロ、乗客定員は78~90人。愛称は「翔鳳」(英語名・Flying Phoenix)だ。14年12月に中国民航局の型式合格証を取得した。16年6月には成都航空の成都~上海間の商業路線に就航した。

国営新華社通信の電子版によると、江西航空の就航便「井岡山号」は15日、江西省・井岡山空港を飛び立って南昌に到着し、無事に初飛行を終えた。ARJ21について中国側は「独自に研究開発し、知的財産権を有する」と主張。国内分だけで数百機以上の注文を受けているという。(編集/日向)

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