米中対立は緊張時代の始まり―仏メディア

Record China    2020年5月31日(日) 20時0分

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29日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、仏ラ・クロワ紙の記事を引用し、米中対立は緊張時代の始まりになるとする記事を掲載した。写真は米国。

2020年5月29日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、仏ラ・クロワ紙の記事を引用し、米中対立は緊張時代の始まりになるとする記事を掲載した。

記事は、現在の米中による激しい言葉の応酬は、1970~80年代に米ソ関係が改善されて以来のことだと分析。「新型コロナウイルスの流行がもたらした危機において、米中の対立は後戻りできない構造的な特徴となったようだ」とモンテーニュ研究所の顧問であるミシェル・デュクロ氏が述べたことを紹介した。

そして、ラ・クロワ紙の記事が「この数カ月で米中の貿易摩擦は政治とイデオロギーの分野に移っており、中国は自らの統治モデルがウイルス対策の面でほかに勝っていると公に吹聴するようになった」と述べていることを伝えた。

米中間での激しい言葉の応酬は、両国とも国内矛盾から目をそらさせる目的もあると記事は分析。中国としては緊張局面を利用して国内の民族主義を高めて団結力を強め、共産党の合法性を強化できるという。一方の米国も、「中国の脅威」というカードにより、新型コロナ対策での混乱を忘れさせ、11月の大統領選挙で優位に立つ思惑があるとしている。

中国がますます強気の姿勢になっていることについて記事は、「中国の指導者は、1980年のトウ小平による慎重な方法を打破することに決めた」と分析。毛沢東が政権を握って1世紀後となる2049年に国際社会を主導する強国となる目標を掲げたと指摘した。

また、習近平(シー・ジンピン)国家主席は第2次大戦以降の世界秩序を変更しようとしていると紹介。中国は国連などの国際機関に対する影響力を強めているほか、アジアインフラ投資銀行(AIIB)などの新たな国際機関を設立し、現有のシステムに代わるプランを出せる国との立場を定めていると論じた。中国は、現有の国際システムは不公平だと考えているのだという。

また記事は、ラ・クロワ紙の記事が「中国はかつての旧ソ連のような軍事同盟で米国と対立するのではない」と指摘していると紹介。中国は「友好国のグループ」をつくって世界的な外交網を築いているとし、「高効率な企業と技術を提供することで国際機関における友好国からの支持を取り付けている」と続けた。

実際、アフリカやアジア、南米の中国支持の国は、中国と協力するだけでなく米国との国際的なパートナーでもあり、この意味からすると、「中国は米国の敵ではなくライバルと言える」としている。

記事はラ・クロワ紙の指摘を引用し、「北米や欧州はこれまでにない経済危機となる中、経済力のある中国の魅力はますます大きくなっている。2008年の金融危機は縮小版の台本をすでに提供している」と伝えた。(翻訳・編集/山中)

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