海自の護衛艦と中国漁船の衝突の疑問、「なぜ日本の護衛艦が中国近海に現れたのか」―米華字メディア

Record China    2020年4月3日(金) 16時20分

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2日、米華字メディアの多維新聞は、海上自衛隊の護衛艦と中国漁船の衝突に関して疑問点があるとする記事を掲載した。写真はしまかぜ(出典:海上自衛隊ホームページ)。

2020年4月2日、米華字メディアの多維新聞は、海上自衛隊の護衛艦と中国漁船の衝突に関して疑問点があるとする記事を掲載した。

記事は、新型コロナウイルス問題で日本が中国へ積極的に支援を行ったことから日中関係が良くなっている中で、3月30日に東シナ海の公海上で海上自衛隊の護衛艦「しまかぜ」と中国漁船が衝突するという事故が発生したと紹介。日中共に理性的かつ抑制的な態度を示しているが、衝突に関して「多くの疑問点がある」とした。

その1つが「大きな海の中でなぜ衝突したのか」だ。記事は、衝突したのは3月30日夜8時半ごろと、日没後であったため視界が悪かったことは理解できるとしつつも、「大きな海で船と船が衝突するというのは、故意でなければその確率は極めて低い」と指摘。「今回の衝突が思いがけない事故であるというのは受け入れがたい説明だ」と論じた。

2つ目は「小さな漁船が大きな護衛艦を損傷させたこと」だとした。記事は「海上ではトン数の大きな船が絶対的に優位である」と指摘。「しまかぜ」は全長150メートル、幅16.4メートル、満載排水量5900トンであるのに対し、中国漁船に関する詳細は明らかになっていないものの、「乗員13人という数字からすると1000トン未満の遠洋漁船だったのではないか」と推測した。

3つ目は「誰が誰に衝突したのか」だとした。記事は、「しまかぜ」には長さ1メートル、幅20センチの損傷ができたと報じられていることを挙げ、「これは日本の護衛艦が衝突された側であることを示している」と指摘。「では、なぜ中国漁船はしまかぜに衝突したのだろうか」と疑問を呈した上で、「その答えはおそらく次の4つ目の疑問に含まれる」とした。

その4つ目は「なぜ日本の護衛艦が中国近海に現れたのか」だとした。記事は日本の報道を基に「事故は鹿児島県屋久島の西650キロ、翌檜のガス田以北の公海上で発生したと報じられている」とし、「中国のネットユーザーが報道を基に地図で位置を確認したところ、衝突した地点は上海の外海200キロの位置で、浙江省舟山からわずか100キロちょっとしか離れていないことが分かった」とした。中国外交部の華春瑩(ホア・チュンイン)報道局長も「事故は中国近海で発生した」と述べていることに触れ、「日本の護衛艦が『敏感』なエリアにいたその目的は何だったのか?なぜ中国漁船と衝突してから静かに去ったのか?との疑問が残る」と記事は指摘している。

その上で、18年の安倍首相の訪中以降、日中関係が大きく改善された中での今回の衝突事故では、「双方が落ち着いてこの問題を処理しているとはいえ、日中関係に再び変数を与えるものになるのではないかと懸念する声がある」と結んだ。(翻訳・編集/山中)

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