トイレットペーパーに依存する日本人―中国メディア

人民網日本語版    2020年3月21日(土) 15時30分

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日本はもともと衛生紙製品の消費大国で、新型コロナウイルスによる肺炎が拡大するようになると、トイレットペーパーの消費がさらに大きく増加した。写真はトイレットペーパーが品薄となっているドラッグストア。

日本はもともと衛生紙製品の消費大国で、新型コロナウイルスによる肺炎が拡大するようになると、トイレットペーパーの消費がさらに大きく増加した。日本国民は神経を張り詰め、少し前には並んでマスクを買い、最近はトイレットペーパーを争って買い求めるようになった。大手スーパーやドラッグストアでは、ほぼ一夜でトイレットペーパーの棚が空になる現象が起きている。地方自治体は購入制限措置を打ち出さなければならなくなり、日本政府も国民を落ち着かせるためにすぐに動き、「ストックは十分にある」と発信した。環球時報が伝えた。

■トイレットペーパー消費大国

総務省統計局のデータによると、日本の総人口は約1億2600万人で、トイレットペーパーの年間消費量は47万トンに達し、毎年1人平均50ロール以上を使用し、1人あたり消費量は世界一だ。2位の米国の3倍にもなり、世界も認める「トイレットペーパー消費大国」だといえる。「そんなにたくさんのトイレットペーパーはいったい何に使ったのか」と疑問に思う人がいるだろう。筆者は東京に住んでからの数年間で、日本のトイレットペーパーの質が高く、極めて多様な使い道があることを知った。そして日本人は他国の人々には信じられないほどトイレットペーパーを重視し、利用している。

日本のネットで見かけた文章によると、災難が起こった時に、日本人がなぜ真っ先にトイレットペーパーを買おうとするかといえば、「オイルショック」の記憶があるからだという。かつて日本では石油の供給逼迫によりパニック状態に陥り、「トイレットペーパーがなくなる」とのデマが流れると、主婦らがスーパーに殺到してトイレットペーパーを買い求め、各地でトイレットペーパーがなくなるという騒ぎが起きた。当時、価格は2倍以上に跳ね上がったという。同じような状況は東日本大震災の時にも起こった。地震で被災地へのトイレットペーパー供給が滞ると、日本中が「トイレットペーパー不足」に陥った。災難への恐怖やこれまでの経験がそうさせるのであり、多くの日本国民は何か起こると慌ててトイレットペーパーを買うようになった。ツイッターでは多くのユーザーが、「家のティッシュやトイレットペーパーがなくなったら、もう生きていけない」、「トイレットペーパーがなくなったら、もう終わり」などと発信した。

■衛生紙製品は種類豊富

日本人は潔癖で、非常にきれい好きで、トイレットペーパーで家の中にあるものを拭く習慣がある。日本を旅行した観光客が気づくのは、公共の衛生空間には予備のトイレットペーパーがたくさん置いてあり、紙がなくて困ることがないことだ。日本のショッピングセンター、地下鉄、観光スポットなどの公共空間にあるトイレは基本的にスマート化を実現し、洋式便座を設置するところが多い。清潔さを保証するため、スマート便座に自動消臭抗菌機能が備わるほか、公衆トイレには除菌クリーナーや除菌ペーパーが用意され、利用者はまずトイレットペーパーに適量の除菌クリーナーを取って、便座を拭いてから用を足す。

日本の衛生紙製品にはいろいろな種類がある。よく見かけるトイレットペーパー、ティッシュペーパーだけでなく、キッチンペーパーには除菌機能、油汚れを取る機能、キッチンのにおいを消す機能などが備わるものがある。トイレ用シートにも除菌・消毒機能や消臭機能のものがある。お掃除シートはモップに取り付けて部屋を掃除するもので、掃除後の部屋にはよい香りが漂う。

日本人がなぜこれほど衛生紙製品を使用するのか。よく言われるのは、日本人は肌の角質層が薄いということで、特に女児は肌を守るため、柔らかいティッシュを選ぶのだという。また花粉の季節になると、花粉症の人は涙やくしゃみがよく出るため、ティッシュ需要がさらに大きくなる。除菌効果のある花粉症専用のティッシュは特に人気が高い。

日本には「ティッシュ配りの文化」がある。商店街や地下鉄駅の近くなどで、ユニフォームや人形のようなかわいい服装をした配布スタッフが無料でポケットティッシュを配っているのをよく見かける。日本独特の風景だ。筆者は初めてティッシュ配りに遭遇したとき、「どうしてこんなことがあり得るのか」と不思議だったが、受け取って見てみると、ティッシュの袋にはさまざまな広告が印刷されていた。無料ではあるが、紙の質は非常によく、軽くて持ち運びに便利、包装もきれいでかわいらしい。化粧直し、汗を拭く、手を拭くと、何にでも使える。また日本には、「とりあえずティッシュを準備する」という習慣がある。何を置くか、ティッシュが必要になるかどうかはわからなくても、事前にティッシュさえ準備しておけば安心、ということだ。外国人には理解しにくいことかもしれないが、多くの日本人にとってティッシュは常識だ。また、東京では基本的にティッシュのない状況はないと言っても、少しも誇張ではない。ショッピングセンター、スーパー、地下鉄駅のトイレには、だれでも使えるペーパータオルが備え付けてある。

■クリエーティビティーあふれる衛生用紙製品

日本人が衛生用紙製品で発揮するクリエーティビティーは無限だ。トイレットペーパーなら、よくある白いものだけでなく、バラなど花模様をプリントしたものをよく見かける。花の香りもついており、使う時は心地よく感じる。創意工夫に富んだ折り方を教えるものもあり、手順にしたがって折っていくとハートや鶴などになる。小熊や兎、戦隊ヒーローなどのキャラクターをプリントしたものは、子どもに喜ばれる。知識型もあり、インフルエンザ対策が書かれたもの、地震や台風などの科学知識が印刷されたものがあり、実用性が高く、用を足す短い時間に知識を得ることができる。恐怖を味わうトイレットペーパーもあり、日本の恐怖小説の名手である鈴木光司氏が書き下ろした小説をプリントした「鈴木光司のトイレで読む体感ホラー ドロップ」は、パッケージからしてすでに身の毛もよだつ怖さだ。このほか楽譜を印刷した音楽好きのためのトイレットペーパー、有名漫画家の手塚治虫氏の名作「ブラックジャック」の台詞をプリントしたトイレットペーパーなどもある。

日本人はティッシュも非常に重視する。トイレットペーパーやキッチンペーパーなどと比べ、ティッシュにはより高品質の材料が使用され、種類も非常に豊富だ。日本のティッシュはとても柔らかい。花粉の季節になると、花粉症の人は鼻がむずむずする、かゆくなる、鼻水が出るなどの症状に悩まされるので、柔らかいティッシュやできるだけ刺激のないティッシュが必要になる。ここ数年は、保湿効果のあるティッシュが人気だ。

日本の衛生紙製品の品質は高く、海外からの観光客がティッシュを家への土産にするケースも多い。日本人の多くはティッシュを買い置きする習慣があり、特に箱入りのティッシュは普段、汗を拭いたり化粧を落としたりするのに使うだけでなく、時にはトイレットペーパー代わりにもなる。こうしたわけで、ティッシュは重要な防災物資として家に備蓄されることにもなる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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