WEB面接に低意欲などの問題点、内定を辞退する求職者も―中国

人民網日本語版    2020年3月14日(土) 23時50分

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新型コロナウイルスによる肺炎が広がる中、WEB面接が徐々に盛んになっている。写真は武漢。写真はコロナ状況下の寧波。

新型コロナウイルスによる肺炎が広がる中、WEB面接が徐々に盛んになっている。求職者にしてみれば、家にいながら仕事を探すことができるし、あちこち走り回らなくてよいし、衣装や小道具をそろえる必要もない。一見すると素晴らしいことのようだが、このコストのかからない採用スタイルは便利であると同時に、一部の企業にとっては今ひとつよくわからないものにもなっている。中国青年報が伝えた。

上海のとある企業は2月10日にWEB面接をスタートしたが、これまでに調達マネージャーに応募してきた候補者5人のうち3人に内定を蹴られた。WEB面接は今の状況では最適解ではあるが、人事担当の孔麗(コン・リー)さんは、「自分の積み重ねた努力が無駄になるような気がする」と言う。

孔さんは次のように説明した。「オンラインでの面接はコストはかからないが、内定辞退率がこれまでに比べて格段に高い。応募してくる人の多くは家にいてWEB面接は次善の策に過ぎないが、とりあえず試してみようというくらいの気持ちだ。本当に自分の希望とマッチしているのかを十分に考えていない。採用担当者がこの人がいいなと思っても、いろいろな理由を挙げて内定を断るかもしれない。これまでは応募してきた人の意欲をはかる最も簡単な方法は、実際に面接会場に現れるかどうかだった」。

安徽省の大手教育関連企業も似たような問題に直面する。マーケットや営業販売のポストを募集した際、採用担当者から、応募者はあまり重視していないとの反応が返ってきた。服装など目に見えるところの準備は特にいい印象がないとのことだ。同社の人事担当者は、「応募者の意欲などいろいろな点をみても、WEB面接とオフラインの実際の面接とではやはりある程度の開きがある」と述べた。

前出の孔さんは応募者をより正確にふるいにかけるため、性格心理テストなど総合的なチェックを先に行ってから、業務部門の面接に進んでもらうかどうかを決定することにしたという。

最初段階の人事担当者との電話による意思疎通の中で、より長くより深く話し合うことにしている。例えば「よく出張があるポストなので、応募者の家庭環境を詳しく知りたい。本人と家族は上海に住んでいるのかとか、子どもはいくつかとか」。「考えられるリスクは先に伝えておきたい。賃金はこの水準でOKか聞きたい。仕事のきつさはこれくらいで、家族の世話もあると精神的にも肉体的にもかなり疲れると思うけれど、そのことをちゃんと考えているかも聞きたい」。

感染症に直面して、仕事を変えようと思っていた人も計画を練り直し、転職をやめる、家の近くで仕事を探すなど、その選択はより慎重になっている。就職情報サイト・智聯招聘が今年2月に発表した調査データでは、仕事を探している人の34%が様子見の状態で、「何もかもまだはっきり確定できないから」との見方を示し、26%が「地元で仕事を探すことにした」と言い、12.2%が「地元から出て仕事を探すのはやめた」と態度を明確にし、さらに「転職する予定だったがあきらめた」という人が12.9%いた。

孔さんは春節(旧正月、今年は1月25日)前に1人に内定を出しており、春節後に入社するはずだった。しかし内定者は感染症対策の重点都市の寧波市にいて、自宅で14日間隔離され、上海に来てもさらに14日間隔離されることから、時間がかかりすぎると考え、自宅近くの会社に就職する道を選んだという。

「こんなことになるとわかっていたら、仕事をやめなかったのに」。感染症が発生してから、上海で働いていた90後(1990年代生まれ)の張●(草かんむりに倍)さんは貯金を使い果たし、不安な日々を過ごしている。春節前に仕事をやめ、最初は2月中にも満足のいく仕事を見つけるつもりだった。しかし履歴書を送っても、3週間で採用担当者から電話がかかってきたのは2回だけ。昨年仕事を探していた時は、1週間に毎日2回以上面接を受けていたという。

毎月の家賃は払わなければならず、4月になれば就職活動のピークが来てますます競争が厳しくなることから、張さんは気持ちを切り替え、仕事の問題をできるだけ早く解決することにした。そうして3月の最初の週には次の仕事を見つけた。新しい会社は人気業界ではないが、会社の規模は大きく、歴史も長く、安心できそうだ。張さんは、「ベンチャー企業なら考えなかったと思う」と振り返った。

統計によると、感染症の影響で、社員数20人以下の零細企業と20-99人の小規模企業は、求人数の占める割合も応募数の割合も、前年同期より低下した。しかし前月比では、どちらも感染が拡大した初期より上昇しており、強くリバウンドしたといえる。

四川省は政策の合わせ技を繰り出し、企業の負担を軽減して雇用を安定させ、奨励金や補助金を出して雇用ニーズを拡大し、支援やバックアップをして就職ルートを拡大した。現在、各地は「政策パッケージ」を徐々に打ち出しており、社会保障、税金、雇用安定の補助金などさまざまな面で従業員を受け入れる企業が難関を乗り越えられるよう支援している。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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