クロスオーバー協力と業界ブレイクで「疫外経済」が誕生

人民網日本語版    2020年3月5日(木) 12時10分

拡大

新型コロナウイルスによる肺炎と闘うため、一方では時間と「競争」し、全力で救急活動と防疫活動にあたらなければならず、また一方では供給と「向き合い」、人々の暮らしのニーズに応えなければならない。

新型コロナウイルスによる肺炎と闘うため、一方では時間と「競争」し、全力で救急活動と防疫活動にあたらなければならず、また一方では供給と「向き合い」、人々の暮らしのニーズに応えなければならない。「二方面作戦」に直面して、中国では業界の枠を超えたクロスオーバー協力や一部業界のブレイクが起こり、感染が広がる中で「疫外経済」と呼ばれる新たな経済のトレンドが生まれている。中国新聞社が伝えた。

「車から降りる必要も窓も開ける必要もなし。1箱で3日分。1クリックでトランクまで配達」。こんなうたい文句を打ち出したのは中国石油化工集団(中国石化)だ。感染が広がる中、首農集団や盒馬鮮生などの生産拠点や小売企業が中国石化と提携し、北京市、杭州市の一部のガソリンスタンドで新鮮な野菜を販売するほか、オンライン注文や家まで配達するサービスをさらに充実させている。

武漢市ではこのほど市内全域で特定ボランティアを募集し、現地のコミュニティで住民に食品・医薬品の代理購入・代理配達サービスを提供するとした。理論学習プラットフォーム「学習強国」のアプリケーションはボランティアを志願する際のルートの1つであり、ボランティアは志願を契機に食品デリバリープラットフォームが「学習強国」に組み込まれ、依頼の具体的な情報を確認しやすくするべきだと考えるようになった。このことがきっかけの一つとなって、「学習強国」は生活サービスに根ざしたコンテンツを組み込むことを検討するようになった。

ニーズは協力を促進する。オンラインフードデリバリーサービスの「Eleme口碑」と「美団」、そして「学習強国」が手を結び、「学習強国」の「おうちでショッピング」ページでデリバリーサービスにたどり着けるようになった。

「Eleme口碑」の関係責任者は、「地域に根ざした生活サービスプラットフォームとして、私たちは『学習強国』と協力し、武漢市民の実際の生活ニーズにともに応えていく。武漢の戦『疫』にプラスになり、現地の人々の日常生活にプラスになるサービスであれば、全力で取り組んでいく」と述べた。

クロスオーバー協力だけでなく、一部業界のブレイクもある。現在、テレワーク、オンライン協力、生鮮食品のデリバリー、娯楽・ゲーム、ネット医療などが急速成長のチャンスをつかまえている。

ビッグデータプラットフォームのクエストモバイルが発表した報告書によれば、全国で戦「疫」が積極的に展開されている中、1月に比べ、春節(旧正月、今年は1月25日)連休後の2週間には、総合型EC業界の新規ユーザーのうち、三線及びそれ以下の都市のユーザーが約70%になった。これと同時に、人々が政府の呼びかけに応じて、外出や買い物を減らしたため、宅配サービスと手を組んだ生鮮ECプラットフォームが、ユーザーが必需品を入手するルートの選択肢になり、ユーザーの規模も利用時間も目に見えて増加した。

感染が広がる中で生活必需品のニーズが爆発的に増加し、関連企業は「大きなビジネスチャンス」を迎えている。たとえば感染症が起きてから、冷凍食品のオンラインECルートでの売上高が爆発的に増加した。冷凍食品大手の鄭州思念食品有限公司がまとめた統計では、同社の販売量の伸びは例年同期の20倍以上になり、総合小売店でのニーズも例年同期に比べて80%増加した。

企業情報調査機関の企査査のデータでは、中国の冷凍食品メーカーは7万3160社あり、中原地域と沿海地域に主に分布し、山東省が最も多く8776社を数える。次は河南省の6625社で、鄭州三全食品股份有限公司と思念公司の2大企業を擁する。しかし河南省をはじめとする中原地域は湖北省に近く、感染症の影響がやや深刻なため、企業活動や生産活動がしばらく停止して需要が大幅に増加し、市場では供給が需要に追いつかなくなった。

大規模企業から小規模企業まで7万社あまりが業務を再開して回転し始めれば、目下の市場の供給不足は埋められる。感染症によって人気が出た冷凍食品は、人々がその便利さを実感することで、短期的に家庭への浸透率が上昇したが、より多くの消費層と未来のより大きな市場を獲得し続けることができるかどうかは、今後しばらく様子をみる必要がある。

「運動したくなったら、リビングだってジムになる」。感染が広がる中、SNSにはいつでもこんな書き込みがあり、オンライントレーニングの人気のほどがうかがえる。オンライントレーニングのトップレベル企業が相次いで「リビングでカーニバル」に参加するようになり、トレーニングのライブ配信が機運に乗じて誕生した。「オンライントレーニング14日間カリキュラム」などが人気という。

企査査によればオンライントレーニング企業が年々増加し、2014年から伸びが加速し、19年の新規設立数は過去最高の6583社を記録した。20年も増加を続け、2月27日までに626社が新たに設立された。

工銀国際持ち株有限公司の程実エコノミストは、「19年に中国の国内総生産(GDP)の一人あたり平均が1万ドル(約107万円)の大台に到達したことを受けて、個人消費の高度化が品質の高度化、市場の深化、製品の広がりの『三次元』へと展開するのが長期的な流れになるだろう」と指摘した。

程氏は続けて、「この流れは短期的な感染症で変わるものではなく、それどころか感染症の終息後に強化され、戦略的新興産業の発展を推進する中堅的パワーになる可能性がある」と述べた。

程氏はさらに続けて、「在宅勤務、オンライン教育などの『おうち経済』の爆発的発展が象徴するように、感染期間中の中国経済はこれまで利用してきた多くのルートを断ち切ることを余儀なくされ、消費習慣とビジネスモデルを体系的に再構築することになった。感染の終息後には新しい習慣と新しいモデルの一部が継続し、やがて『オンラインとオフラインが結びついた』新小売、クラウドサービスが消費サイドを変化させ、モノのインターネット(IoT)やスマート製造が供給サイドを変革し、中国経済が新たな形態を切り開くのを促進するだろう」との見方を示した。(編集KS)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携