タニシ麺の入荷待ちに100万人!新型肺炎でインスタント食品が爆発的人気―中国

人民網日本語版    2020年3月3日(火) 7時40分

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このところ注文しても届かない商品といえばマスクだが、まさかインスタント麺のタニシ麺まで届かなくなるとは誰も想像しなかっただろう。

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このところ注文しても届かない商品といえばマスクだが、まさかインスタント麺のタニシ麺まで届かなくなるとは誰も想像しなかっただろう。中国新聞網が伝えた。

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最近、「タニシ麺を注文したけれど届かない」という話題がネット検索ランキングの上位に入っている。画面に表示されたその文字の行間にあふれているのは、グルメたちのおいしいものへの渇望感だ。

家にこもって1カ月。外に出て食事をするのもままならず、フードデリバリーや買い物もこれまでのように便利ではなくなった。この特殊な状況の中でインスタント食品に俄然人気が集まり、販売量は急増し、インターネットで売り切れて予約待ちをしなければ買えない事態も起きている。

■インスタント食品が人気に、タニシ麺は40日待ち

「タニシ麺の写真を1回アップしただけで、たくさんの人にうらやましがられた」。胡朶(フー・ドゥオ)さんがSNSにタニシ麺を食べているところをアップすると、すぐに大勢の友人たちからメッセージが寄せられた。友人の1人は、「自分が注文したタニシ麺は40日後でないと届かない。40日あれば自分でもタニシを育てられちゃうよ」と書いてきた。

グルメたちの待ちきれない気持ちはデリバリーのデータに直接反映されている。オンラインフードデリバリープラットフォーム「Eleme」が2月25日に発表したデータでは、ここ1週間のタニシ麺のデリバリー受注量は前週から58%急増。その注文の多くはオフィスビルからのものだった。増加率上位5都市は南京、桂林、アモイ長沙、北京となっている。

オフラインのレストランが完全には営業を再開したとはいえない状況の中、おいしいものを味わうには、デリバリーだけでなく、ネット通販で半製品を買って自分で料理する方法もある。

グルメたちは家で何を食べているのだろう。1月24日から2月1日にかけて、京東プラットフォームでのインスタント食品取引額は3.5倍増加し、蘇寧のインスタント火鍋シリーズの売り上げは同370.27%増加した。2月3-17日には、淘宝(タオバオ)でタニシ麺、火鳥麺(韓国の激辛インスタント麺)、各種インスタント麺、発熱剤付きインスタント火鍋、酸辣粉(酸っぱくて辛い春雨ヌードル)などの手軽なインスタント食品が売上高上位10位に入った。

グルメたちの購買意欲が高まると、インスタント食品の在庫もあっという間に品薄になった。淘宝で有名なタニシ麺ブランドの公式旗艦店をいくつか検索すると、どこでも「予約受付」の文字が表示され、4月4日以降でなければ届かないケースもあった。また、発熱剤付きインスタント火鍋も簡単には手に入らず、予約しても同じように3月10日過ぎまで待たなければならない。

こうして「タニシ麺を注文したけれど届かない」という話題が検索ランキングの上位に入り、大手タニシ麺ブランドは相次いでコメント欄で謝罪するしかなくなった。その裏側には、大勢のネットユーザーからの「商品を早く送ってください」との声がある。2月21日に「タニシ麺を発送します」と発表した微博(ウェイボー)の淘宝店舗は、タニシ麺好きの女性ユーザーたちから注文が殺到し、24日には「欠品のお知らせ」をするしかなくなった。

ネットユーザーの1人は、「自分の生まれ育った広西チワン族自治区の人なら、広西でタニシ麺が食べられなくなる日がくるなんて思いもしなかっただろう」とコメントした。

2月21日、同自治区柳州市魚峰区は市内のタニシ麺メーカーの人手不足などの問題を緩和するため、ボランティア約200人をメーカー7社に派遣し、業務再開を支援した。

■インスタント食品はなぜ突然人気に?

どこにも出かけられなかった今年の春節(旧正月、今年は1月25日)には、中国の外食業界協会の情報によれば、外食業界企業の93%が店を閉める選択をし、そのうちの73%が傘下の店舗をすべて閉めたという。不要不急の外出を減らそうと、大半の人が自宅のキッチンに立つことを選んだためだ。

「おいしいものが食べたい」という気持ちが、グルメ界にとっては常に第一の原動力になる。

涼皮やケーキ、油条のようなものを一通り食べたら、多くの人はこってりした味のものが恋しくなるものだ。これと同時に、多くの若い人々は仕事が再開して両親のもとを離れ、何もしなくても食事が出てこなくなった。外食も不便なうえにデリバリーにも不安がある中、ほんの10数分ほど調理すれば食べられる具沢山のタニシ麺や、発熱剤のついたインスタント火鍋は、グルメたちにとって非常にやさしい商品だといえる。

発熱剤付きインスタント火鍋のトップブランド・自嗨鍋の創業者である蔡紅亮(ツァイ・ホンリアン)さんは、「感染が拡大する中、消費者は外に出て集まって食事することができなくなり、食品の供給も乏しくなっていることから、京東スーパーマーケットや天猫(Tmall)スーパーマーケットを含むオンラインスーパーで発熱剤付きインスタント火鍋の受注量が200-300%増加した。そのうちの一部の顧客は初めて注文したという新規顧客だ。ほかにもリピーターがまとめ買いするケースもある」と述べた。

■感染が収束した後もインスタント食品の人気は続くか?

感染が拡大して人気が出たインスタント食品といえば、インスタント食品界の「大先輩」であるインスタント麺を取り上げないわけにはいかない。市場調査会社カンターのまとめた消費者データによれば、17年前に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行った時には、感染ピーク期にインスタント麺の浸透率が急上昇し、感染収束後は下落した。

消費高度化にともない、油で揚げた食品を食べない人が増え、ここ数年のインスタント麺業界は大きな困難に直面していた。統一企業股フン有限公司(フンはにんべんに分)の社員の話によると、「感染拡大期間に、弊社のインスタント麺の売り上げは、オフラインで前年同期比50%増加し、オンラインでも50%以上増加した」という。

タニシ麺は1袋10数元(数百円)で、街角の小規模な飲食店に比べて価格的にそれほど優位性があるわけではなく、「先輩格」のインスタント麺と比べてもかなり高い。発熱剤付きインスタント調理商品は主要価格帯が20-30元(約320-480円)でデリバリー1回あたりの価格に相当する。

味が同質化し、消費シーンが限られるというのが、インスタント麺業界がかつて通った道だ。新興のインスタント食品もこれを逃れることはできないかもしれない。最近、SNSで「火鍋が食べたい」、「焼肉が食べたい」という声がますます大きくなっている。我慢ももう限界だ。感染が収束したら、自分の好きなレストランに駆けつけ、おいしいものをお腹いっぱい食べたいものだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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