クラウドに「引っ越し」 新型肺炎で国産品がオンラインに活路

人民網日本語版    2020年2月25日(火) 15時20分

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業績が90%減少してから前年同期の145%を達成するまでの15日間、椿オイルで有名な国産品ブランド・林清軒はまるでジェットコースターに乗っているような気分を味わった。

業績が90%減少してから前年同期の145%を達成するまでの15日間、椿オイルで有名な国産品ブランド・林清軒はまるでジェットコースターに乗っているような気分を味わった。孫来春最高経営責任者(CEO)は、「新型コロナウイルスによる肺炎が発生してから、直営店157カ所が営業を停止し、営業している店舗も商売あがったりだった。毎日100万元(1元は約15.9円)のお金が出ていくのを指をくわえて見ているしかなかった。こんな状態が続けば、非常に大きな危機に直面することになると考えていた」と振り返った。新華社が伝えた。

孫氏は思い切ってやり方を変えた。全業務をオンラインに移行し、店舗からライブ配信を行い、自分もライブ配信の現場に立った。「最初の日はチャンネル登録者は2人しかいなかったが、4日目には500人を超えた。それから2月15日になると、会社がつぶれなかっただけでなく、一部の直営店は業績が2倍になった。ライブ配信が絶体絶命の状態にあるブランドが活路を見いだす秘策になるとは思いもしなかった」という。

新型肺炎の影響により、中国全土における多くの地域でデパートや小売企業が営業を一時停止にしたり営業時間を短縮したりし、事業のルートの機能停止や顧客フローの不足が国内消費を中心とする多くのブランドに打撃を与えた。オフラインからオンラインへ、店舗からクラウドへと移行するのが、国産品が活路を求めている。

たとえばファッションブランド・愛慕は実店舗からクラウドへ移行し、クラウド顧客サービス、クラウドショッピングセンターなどの方法で消費者との間により密接なつながりを構築した。2月19日現在、クラウド店舗を開設したオフライン店舗の数は1894カ所に上り、チャンネル登録者は1日あたり平均5500人増えている。愛慕集団の張栄明会長は、「困難が次々に訪れる中で発展したいと思うなら、突破口を見つけなければならない。クラウド店舗がもたらすのはブランド全体のスマート化というモデル転換だ」との見方を示した。

ファッションブランドの歌莉■(女へんに亜)は企業向け微信(WeChat)を利用して、一日あたり売上高の急速な伸びを達成した。屈臣氏はオフライン業務をオンラインのライブ配信に転換し、これに快速配送サービスを組み合わせた。これとは別に屈臣氏の世界を体験できるオンライン店舗を立ち上げ、オフラインでの交流をオンラインでのライブ配信に変えた……クラウドへの「引っ越し」は、今や多くの国産品ブランドが選ぶ道となっている。

ショッピングサイト・淘宝(タオバオ)が発表した「淘宝経済暖報」によると、今年2月以降、1日あたり3万人を超える人が淘宝で新店舗を開設し、このうちの20%以上がオフライン店舗から来ている。メーカーが淘宝のライブ配信を通じて売り上げた数は前年同期比50%増加し、オフライン店舗でのライブ配信が最も活発な3大業界は服飾品、化粧品、家具・インテリアだ。「クラウド業務」モデルは新たなトレンドになった。

ブランドは積極的にクラウドへ移行し、プラットフォームも正確なマッチングとサービスを提供しようとしている。マイクロソフトが打ち出した小売ソリューションは、クラウドや仮想現実(VR)などの技術を利用してショッピング体験を強化する。IT企業・浪潮は動画や「クラウドプラス」などの協同テレワークサービスを無料で開放すると発表した。

これと同時に、拼多多は「農産品生産販売マッチング」を開設し、物流量を底支えするだけでなく、5億元規模の農村支援商品特定補助金と1件あたり2元の配達補助金を設定した。小紅書は「クラウドウィンドーショッピング」などのモジュールを通じて100に近い優良ブランドのオンラインへの転換を行い、対応する普及推進・相互連動メカニズムを整備した。西瓜視頻、ショート動画共有アプリ「Tik Tok(抖音)」などは情報を正確に仕分けして発信し、製品の需給マッチングの効率を高めた。

プラットフォームもオンラインカリキュラムを開設し、オフラインブランドのモデル転換を支援する。自動車産業のネットプラットフォーム・大捜車の関係責任者は、「私たちは春節(旧正月、今年は1月25日)連休期間に多くの自動車メーカーとやりとりをして、一連の自動車販売に関するライブ配信の研究カリキュラムを制定し、その後の進展をフォローしつつ前進している。最新のカリキュラムの平均視聴者数は1万8千人を超えている」と述べた。

クラウドへの「引っ越し」は一時的な動きではなく、小売と製造を結びつける新たなトレンドになる可能性がある。多くの国産品ブランドが目下の模索の動きを契機にスマート化へのモデル転換を加速させている。

ファッションブランド・之禾の創業者・葉寿増さんは、「これまで当社は実店舗におけるサービス・体験の高度化により多く重心を置いてきた。将来はオンライン販売がより多様化し、今の一時的な動きがしっかりと固まって長期的な営業販売スタイルになる可能性がある。これも危機の中にあるチャンスと言えるかもしれない」と述べた。

工業・情報化部(省)によると、同部はすでに製造業企業と情報技術(IT)企業との協力を推進し、クラウドコンピューティングの運用を支援して企業のクラウドへの移行を大いに推進する計画だ。今後は企業が関連の製品・サービスを開発し、豊富で多様な「非接触」ショッピングなどのモデルを確立し、生産の協同をしっかり行っていくという。(編集KS)

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