新型肺炎で「隔離経済」到来、新たなビジネスチャンスを迎える産業も―中国

人民網日本語版    2020年2月6日(木) 6時20分

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新型コロナウイルスの感染による肺炎の影響により、各地の学校や企業の多くが授業再開や業務再開を遅らせることを決定し、大勢の市民が家にこもり自分で自分を隔離している。写真は営業休止する飲食店。

新型コロナウイルスの感染による肺炎の影響により、各地の学校や企業の多くが授業再開や業務再開を遅らせることを決定し、大勢の市民が専門家のアドバイスに従って、家にこもり自分で自分を隔離している。こうして家にいながらも購買意欲をそそられる場面はさまざまにあり、関連産業にとっては新たなビジネスチャンスとなっている。中新経緯が伝えた。

「プレイしているのはゲームではなく、自分の孤独」

北京市民の劉知さん(仮名)は家にこもって9日目になる。春節(旧正月、今年は1月25日)の日から家にこもり、海外旅行はやむなくキャンセルし、自分を家に隔離した。ここ数日は階下にごみを捨てに行ったり、生きるために必要な食料を買ったりするほかはほとんど外に出ていないという。

「思いつく限りほぼすべてのタイプのゲームをダウンロードした。やっぱりSNSの性格があるオンラインゲームが好きで、PUBG(プレイヤーアンノウンズバトルグラウンズ)、狼人殺、『王者栄耀』などが好きだ。一日中、友だちとの交流がないなんて考えただけでぞっとする」と話す劉さんは、普段からゲームが好きだが、仕事が忙しくてダウンロードしたゲームもアンインストールせざるを得なくなることがしばしばだった。今回の休暇の間、友人たちとゲームの中で「クラウド集会」をすることにしたというが、「自分たちがプレイしているのはゲームではなく、自分たちの孤独のような気がする」のだという。

中信建投証券は、「突発的な感染症の影響で、人気ゲームの多くはユーザーのアクティブ時間と利用時間が大幅に増加した。試算によると、春節期間(1月16日から1月31日まで)に『王者栄耀』、『和平精英』、『陰陽師』などの人気オンラインゲームはいずれも大勢のゲーマーがアクセスしたためにサーバーが一時的にダウンしたり故障したりする事態が生じた」と指摘した。

業界関係者の分析では、「感染症の期間には人が集まる機会を減らすよう呼びかけられており、ゲームがオフラインの娯楽の重要な代替品となり、『春節に人気のゲーム』が登場した。中でもSNSで人と競い合うゲーム、時間のかかるヘビー級ゲーム、ボードゲーム系のゲーム、ミニゲームアプリの人気が特に高い」という。

「オフラインのレッスンがなくなり、急いでオンラインクラスを申し込んだ」

「感染症でオフラインの補習レッスンが予定通り実施できないと知ると、すぐに子どものためにオンラインクラスを申し込んだ」。北京に暮らし、小学校3年生の子どもをもつ王さんはこのように話した。

大まかな統計によると、最近は新東方在線、学而思、猿輔導など複数の補習レッスン提供機関が無料のオンラインカリキュラムを打ち出しており、K12(幼稚園から高校まで)、就学前、職業訓練などさまざまな内容のものがある。一部のプラットフォームは無料のオンライン教育資源を統合し、快手アプリなどは「クラスはお休みでも勉強は休まない」コーナーを開設し、無料でレッスンのライブ中継や録画を提供する。

英孚教育の関係職員は、「当社は感染症の流行期間に一般向けに無料オンラインカリキュラムを提供するほか、企業向けに1カ月間のビジネス英語カリキュラムも提供するつもりだ。現在、ユーザーは公式サイトを通じて無料カリキュラムの受講を申請することができ、当社はサーバーのバージョンアップを急いでおり、学ぶ意欲のある人にできるだけ多く応えるべくオンライン学習を提供していく」と説明した。

業界関係者は、「今回のオンラインレッスンを準備できる大手機関による無料カリキュラムの提供は、オンライン学習の浸透率向上に重大なブレークスルーをもたらす可能性がある」と分析した。

国盛証券は研究報告書の中で、「教育部が出した通知では、各学校に対し春節(旧正月、今年は1月25日)連休後の授業再開を適宜遅らせるよう求めており、一部のリーディングカンパニーはオンラインカリキュラムを通じてオフラインのフローを迅速に受け入れ、オフラインカリキュラムの一時的な停止による影響を軽減し、より高いリスク対抗力を備えることが可能になる。同時に、オンライン授業が各省・自治区・直轄市で推進されていくにつれ、オンライン教育も急速に仲間入りを果たすことが予想される」とした。中国国際金融股フン有限公司(フンはにんべんに分)のアナリストも、「教育主管当局はオフラインカリキュラムのオンライン化の推進に力を入れており、今後はオフラインレッスンの柔軟性と安全性がより広く認知されるようになるだろう」との見方を示した。

「在宅勤務 効率はより向上」

営業職の張策さん(仮名)は、「感染症が流行し出してから、自分の会社はオンラインオフィスソフトを利用して社員の記録報告プラットフォームを構築し、この中に『感染症対策』のスレッドを立てて、社員に毎日、関連する個人情報を書き込ませている」と話した。

「毎日の体温、症状があるかどうか、過去14日間以内に武漢に行ったことがあるかどうか、流行期間中に会社のある都市を離れたことがあるかどうかなどの情報を、OA(オフィス自動化)システムに記入する必要がある。微信(WeChat)のグループを通じて報告するより、機能は便利で統一的管理もでき、結果はさらに見やすくなった」という。

張さんは、「感染症の影響で、自分の会社は生産停止になり、自分もしばらく在宅勤務をするよう求められた。多くの会社と同様、OAが企業管理の主要ツールの1つになり、流行期間中に重要な役割を果たすようになった」と指摘した。

また張さんは、「今やOAは企業の中でますます普及している。OA利用のメリットとしてはオフラインの文書審査の煩雑さが軽減され、何らかのプロセスで必要があればオンラインで相手側に直接連絡できることがあり、このため在宅勤務をするとかえって会社にいたときよりも効率がいい」と話した。

デロイトコンサルティングの調査研究によれば、今回の感染症の影響により、現時点で民間企業が受けたマイナス影響は主に通常通りに顧客へのサービスを提供できないこと、通常の管理が行えないこと、売り上げが低下していること、キャッシュフローが不足気味であることなどに現れている。企業が「在宅勤務」メカニズムを発動している間、どのようにして柔軟な働き方を実現するか、仕事の利益と安全をどのように保障するかが目下の急務だという。また取材に答えた多くの人が、「社員にオンラインで仕事ができるツールを提供し、企業のサービスをオンライン化し、顧客とのコミュニケーションの新たなスタイルを構築すれば、企業の現時点でのキャッシュフロー圧力は最大限緩和される」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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