ゴーン氏の逃亡劇、残された疑問への答えは?―中国メディア

人民網日本語版    2020年1月9日(木) 10時10分

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日本は1年で最も大切なお正月シーズンを、「最もなじみのある外国人」にとことんかき回されることになった。写真は上海の日産ディーラー。

日本は1年で最も大切なお正月シーズンを、「最もなじみのある外国人」にとことんかき回されることになった。よく知られる日産自動車の前会長カルロス・ゴーン氏のことで、日本での保釈中に逃亡劇を繰り広げ、プライベートジェットで遙か遠い中東のレバノンへ飛び、現地で「私は今レバノンにいる」との声明を発表した。日本側はこの発表を受けて初めてゴーン氏がいないことに気づいたという。中央テレビニュースが伝えた。

実際、劇的な逃亡の経緯だけでなく、逃亡後にどうなるかがより重要だろう。

日本はもともと年内にも裁判を始める予定だったが、ゴーン氏不在で裁判は行えるのだろうか。

外務省幹部は、「日本とレバノンは犯罪人引き渡し条約を結んでいないので、相手国が同意しなければ、日本への引渡しは不可能だ」と述べた。

ゴーン氏はフランス、レバノン、ブラジルと3カ国の国籍をもち、現時点でレバノンとフランスはゴーン氏を日本へ送還するつもりはない。

レバノン外務省が12月31日に発表した声明では、「ゴーン氏がレバノンに合法的に入国したことを確認した」という。レバノン公安総局は、「ゴーン氏がレバノン国内でいかなる訴訟の対象にもならないことを確認した」との声明を発表した。

フランス経済・財務省のアニエス・パニエ=リュナシェ副大臣は1月2日、「ゴーン氏がフランスに戻るなら、フランスは送還することはない。フランスはフランス国籍をもつ国民を送還したりしないからだ」と強調した。

ゴーン氏は日産が不振に陥っていた時期に、この老舗自動車メーカーを立て直した。しかしその強硬な行動スタイルが実に「日本的でない」ことから、ゴーン氏はこれまでずっと議論の的となってきた。ゴーン氏がキャリアのピークに達した18年末、日産は反ゴーンの行動を一気に開始し、日本の検察は3回にわたりゴーン氏を逮捕した。

分析によると、ゴーン事件の背後には、日本が多国籍のアライアンスの中で自社の主導権を取り戻そうとする争いがあり、日本の日産とフランスのルノーとの戦いがあるという。

ルノーは日産の株式を43.4%保有し、ルノーの後ろ盾である筆頭株主はフランス政府だ。ルノーはこれまでずっと日産に圧力をかけて株式保有率の引き上げを要求し、日産を手中に収めようとしてきた。しかしこれは日本側には絶対に受け入れられないことだ。日産は社名に「日」とあるように日本の会社であり、フランスの「仏」を名乗るわけにはいかない。

今年に日本で開催される2020年東京五輪への懸念も広がる。有名人が厳重な監視の目をかいくぐって海外に逃亡できたことから、日本の保安体制に対する疑問が生じたからだ。

監視カメラからわかるのは、ゴーン氏が自宅を歩いて出ても気づかれなかった直接の原因は、日本では一般的に保釈中の被告にGPS機能の付いた腕輪や足輪を装着させないことにある。

空港の保安検査がいい加減だったのだろうか。関西国際空港の関係職員からの情報によると、ゴーン氏が逃亡した12月29日夜に、高さが1メートルを超える大きな箱があったが、大きすぎてX線検査装置に入らなかったので、中身をチェックすることもなく、プライベートジェットに直接積み込んだという。

ゴーン氏の「華麗なる脱出劇」は出国記録を残しておらず、一体どのようにして可能だったのだろうか。トルコの貨物航空会社MNG航空が3日、「ゴーン氏は日本を離れる際、当社の飛行機を違法に使用した」と認めた。同社によると、社員が記録を偽造したため、ゴーン氏の名前が運航に関するどの書類にも出てこなかったのだという。

日本が1つのプロセスをしっかり守りさえすれば、ゴーン氏はやすやすと逃亡することはできなかった。日本の安全保障措置はまるで全プロセスにも青信号がともっているようで、大きな疑問を抱かざるを得ない。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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