3200キロの「生きる希望」つなぐリレー 中国で最長の臓器搬送が成功

人民網日本語版    2019年12月28日(土) 1時10分

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24日、中日友好病院の医師が雲南■海県(■は孟に力)人民病院のドナーから提供された移植用の肺を携えて、肺移植を受ける患者に生きる希望を与えるために、北京首都国際空港で待ち構えていた救急車に乗り込んだ。

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12月24日午後3時20分、中日友好病院の医師2人が雲南■海県(■は孟に力)人民病院のドナーから提供された移植用の肺を携えて、肺移植を受ける患者に「生きる希望」を与えるために、北京首都国際空港で待ち構えていた救急車に乗り込んだ。この臓器は、北京から3200キロ離れた雲南省西双版納(シーサンパンナ)空港から空輸され、臓器の搬送としては、中国で最長距離のケースとなった。

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4時間で雲南省から北京まで搬送

12月23日午前10時30分、中国東方航空の職員は、中日友好病院から、「臓器(肺)を携える医師2人を、雲南省シーサンパンナから、昆明で乗り継いで北京に向かわせたい」との緊急要請を受けた。

今回、肺の搬送を担当した北京中日友好病院の医師の一人・肖飛さんは、「人の臓器の搬送は時間との戦い」とし、「24日早朝6時ごろにドナーから肺を摘出し、急いでシーサンパンナ空港に向かい、午前9時38分に到着。5分後に昆明に向かう東方航空MU5791便に乗った」と説明する。そして、午前11時6分に、昆明長水国際空港に到着し、東方航空の職員の協力の下、グリーンチャンネルを通って、わずか14分で北京に向かう便に乗り継いだ。

「シーサンパンナから北京まで約3200キロあり、車なら順調に行っても36時間かかる。しかし、東方航空の協力があり、わずか4時間で搬送することができた。中国の南から北まで大移動する、まさに長距離リレーだった」と肖さん。

東方航空にとっては、今年959ケース目の人体臓器の搬送となった。

グリーンチャンネル設置で臓器搬送が平均1時間半ほど短縮

11月26日、中国国家衛生健康委員会は上海で、移植用臓器搬送のグリーンチャンネルをめぐるプレスカンファレンスを開いた。同委員会医政医管局の監察専員・郭燕紅氏によると、移植用臓器搬送のグリーンチャンネルが設置されてからの3年の間に、搬送にかかる時間が平均1時間から1時間半短縮した。そして、臓器を搬送できる距離が大幅に拡大し、病気や事故によって臓器が機能しなくなった数多くのレシピエントに、救いの機会を提供してきた。

郭氏によると、中国のここ4年間の臓器移植は2015年2766件、2016年4080件、2017年5146件、2018年6302件と増加の一途をたどっている。2018年の移植件数は世界で2番目に多かった。同年、臓器移植手術の件数も2万件以上となり、同じく世界で2番目に多かった。

中国の国土は広大で、社会の経済発展が地域によって不均衡であるほか、レシピエントの医療費をできるだけ抑えるために、中国ではほとんどのケースで、医療スタッフが、民用航空や高速鉄道、道路などを通じて臓器の搬送を行っている。搬送の過程では多くの不確定要素が待ち受けており、搬送時間が長くなると、臓器の質にも悪影響を及ぼす。それらの問題が原因で、せっかく提供された臓器が使えないというケースもある。

移植用臓器の搬送にかかる時間を短縮し、搬送の過程で臓器の質が落ちてしまうリスクを軽減し、患者の命・健康を守るために、国家衛生健康委員会は2016年5月、公安部(省)、交通運輸部(省)、中国民用航空局、中国鉄路総公司、中国紅十字会総会と共同で、「移植用臓器搬送グリーンチャンネルの設置に関する通知」を発表。民用航空、高速鉄道を中心とした低コストで、高效率の移植用臓器搬送グリーンチャンネル設置メカニズムを構築した。(編集KN)

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