中国で最低賃金基準の引き上げ相次ぐ、6省で3万円超―中国メディア

人民網日本語版    2019年12月13日(金) 14時20分

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一部の省・自治区・直轄市が最低賃金基準を引き上げ、幅広く各界の注目を集めている。19年11月末現在、上海市、北京市、広東省、天津市、江蘇省、浙江省の最低賃金基準が2千元を超えている。写真は引越し業者。

年の瀬が近づき、一部の省・自治区・直轄市が最低賃金基準を相次いで引き上げ、幅広く各界の注目を集めている。11月には河北省と遼寧省が新たな基準の適用を開始した。最近は福建省人的資源・社会保障庁も通達を行い、2020年1月1日より、省内各地の基準を調整すると決定した。19年11月末現在、上海市、北京市、広東省、天津市、江蘇省、浙江省の6省・市の最低賃金基準が2000元(約3万円)を超えている。新華網が伝えた。

最低賃金基準は「最低限度の生活を保障する」指標とされている。中国の関連する法律の規定によると、最低賃金基準とは労働者が法律に定められた労働時間の中で、あるいは法律に基づいて契約した労働契約に定められた労働時間の中で通常の労働を提供するという前提の下、雇用機関が法律に基づいて支給しなければならない最低限の労働報酬を指す。法律の実践において、最低賃金には残業代、準夜勤・夜勤・高温・低温など特殊な労働環境で労働する場合の手当及び国の法律法規・政策が規定する労働者の各種保険・福利厚生、および企業が食事手当・住宅手当などを通じて労働者に支給する非金銭的収入などは含まれない。

説明によると、旧労働・社会保障部が04年3月1日に施行した「最低賃金規定」に基づき、全国各地の最低賃金基準は現地の人々の毎年の生活費水準、労働者の平均賃金水準、経済発展水準、労働者の社会保険料・住宅積立金の納付水準、失業率などの要因を総合的に考慮した上で算出される。実践において、各地の最低賃金基準は長年にわたり緩やかに上昇を続けた。北京市の場合、1995年の最低賃金基準は月ベースで210元だったが、05年末には580元に、15年内には1720元に上昇し、今では2020元だ。

別の地域をみると、現在は上海の月ベース最低賃金基準が全国トップで、2480元(約3万7000円)になる。北京は最低時給が全国最高で24元(約360円)だ。河北、山東、福建、吉林、陝西など内部の発展の格差が大きい省は、たいてい3種類か4種類の最低賃金を設定している。中国労働学会の蘇海南(スー・ハイナン)特別研究員は、「中国各地の経済発展水準、物価水準、所得水準には大きな開きがあるため、各地の最低賃金基準にもおのずと一定の開きがあることになる」と指摘した。

上海社会科学院シンクタンク研究センターの李凌(リー・リン)副研究員は、「一部の職場では若者の賃金が最低賃金をはるかに上回り、最低賃金基準が変動しようがしまいが彼らには関係ないようにみえるが、基準は重要でないなどと考えてはならない。一方で、最低賃金には法的拘束力があり、最低賃金基準を引き上げれば低所得労働者とのその家族の基本的な生活をよりよく保障することができ、労働者の積極性と創造性を喚起する上でプラスになり、社会における分配の公平さと公正さの重要な表れとなる。また一方で、最低賃金基準の調整は企業のコストに直接影響を与え、ひいては従業員の構成に影響を与えることにもなる」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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