「社会主義に好感」が49%!米国の若者が変化した理由―中国人専門家

Record China    2019年12月12日(木) 8時20分

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中国の外交学院国際安全研究センターの凌勝利主任は「米国の若者は社会主義に憧れている?」と題した文章の中で、米国社会の変化とそれが来年の大統領選挙に与える影響について論じた。

中国の外交学院国際安全研究センターの凌勝利(リィン・ションリー)主任は「米国の若者は社会主義に憧れている?」と題した文章の中で、米国社会の変化とそれが来年の大統領選挙に与える影響について論じた。10日付で中国メディア・環球時報が掲載した。

凌氏はまず、米ギャラップ社の昨年の調査結果を基に、「18~39歳の米国人について、資本主義にポジティブな印象を持つ人の割合が51%だったのに対し、社会主義に好意的な人の割合は49%に上った」と紹介。「これは少し不思議な結果だが、よく考えてみると、ここでの資本主義・社会主義への理解というのは主に経済領域に対するもので、決して全ての領域についてではない。経済領域への理解というのは『どのような方法で経済発展を実現するか』といったことだ。したがって、この資本主義・社会主義への好みは米国の実用主義の表れと言ってよく、結局のところは米国の個人主義に結びつくものなのだ」と論じた。

凌氏は、「トランプ氏の大統領就任以前の米国で、政治的エリートと主要メディアは中流階級以上の人々の要求により関心を払っていた。しかし、トランプ氏の就任はそれまで注目を浴びていなかった中流階級以下の白人たち、つまり“サイレントマジョリティー”の意見を反映したものであったため、そうした層が『米国の国際的価値』など以上に気にかける『個人または家庭の経済状況』により大きな焦点が当てられるようになった」と指摘。その結果、冒頭の民間調査結果が示すように、米国人の個人主義がますます強くなっていったという。

凌氏はさらに、米国内における問題にも言及。「資本主義国家の先導者として、米国は自国の自由民主制に大きな自信を持ってきた」「しかし、ここ数年の間に米国では多くの問題が出現しており、制度の欠点が露呈している。政治面では民主主義が破壊され、かつて“政治素人”だったトランプ氏の大統領就任が政治的エリートたちの認識に衝撃を与えた。経済面では富裕層と貧困層が二極化し、中流階級以下の人々の不満が高まった」「だが、これら以上に米国人が懸念しているのは、米国社会の分裂が進み、政党間での争いが激しくなることだ」などと説明した。

凌氏は、米国で裕福な世帯の上位10%が国内の富の70%を独占しているという状況ついて「必ずや米国の社会的思想や政治状況に影響を及ぼすだろう。中流階級以下の多くの米国人は、貧富の差が拡大する原因は制度による分配が公平に行われていないことにあると考えている。資本主義の制度は権力者により有利に働くと捉えているのだ。一方、社会主義においてはある程度権力者に制限を加えることができ、資源の分配をより公正に行ったり、貧しい人の経済・福利状況を改善したりすることができる」と論じた。

凌氏はさらに、社会主義が高評価されつつある現状は来年の米大統領選挙にも影響を及ぼしうると指摘。「勝利を収めたい候補者は誰であろうと社会の思想的な変化を考慮しなければならない。米国人、特に若者による社会主義への憧憬は、中流階級以下の人々の『生活をより良くしたい』という思いを反映している。米国の利益が固定化している状況で、若者たちの将来の見通しも狭まっていると言って良い。これこそが、米国の若者が社会主義に好感を持つようになった重要な理由なのである」とした。

凌氏は最後に、「ここ数年で米国の若者はより政治参加に積極的になっている。昨年の中間選挙では彼らの投票率が大幅に増加した。このことからも、米国の若者は大統領選挙の投票者の主力になっていくであろうことが予想される。候補者たちにとって、若者たちの要求に耳を傾けて戦略を練ることの重要性が日に日に高まっているのだ」と結んだ。(翻訳・編集/岩谷)

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