中国産手術ロボット「妙手」、臨床から市場に進出

人民網日本語版    2019年12月4日(水) 18時50分

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中国の高級医療機器の独自革新に新たな進展があった。天津大学、中南大学、威高集団が共同開発した中国国産手術ロボット「妙手S」がこのほど、正式に臨床試験段階に入り、医療市場での応用まであと一歩となった。

中国の高級医療機器の独自革新に新たな進展があった。天津大学、中南大学、威高集団が共同開発した中国国産手術ロボット「妙手S」がこのほど、正式に臨床試験段階に入り、医療市場での応用まであと一歩となった。光明日報が伝えた。

手術ロボットは医師の手術能力と手術の質を高めることのできる、高級医療機器の代表的な製品だ。医師は手術中に手術用の器具を使うのではなく、操作レバーを操る。低侵襲手術ロボットは医師の動作をリモートコントロールによりロボットアームに正確に伝える。ロボットアームが患者の体内でその動きを実行することで、外科手術を施す。手術ロボットシステムは先進国において、一般外科、泌尿器科、産婦人科、脳心臓外科などの分野で広く応用されている。中国の手術ロボットは現在、主に輸入に依存している。コア技術及び製品は、少数の先進国に握られている。

天津大学の王樹新教授のチームは国の需要を見据え、2000年より低侵襲手術ロボットの研究を開始した。中国で最も早く手術ロボットの研究を展開した科学研究チームとしての彼らは、中国初の低侵襲手術ロボット「妙手」システムの開発に成功した。彼らは2004年に仏パリ第6大学と共同で、小型化低侵襲手術ロボット「MC2E」システムを開発し、動物実験を終えた。2007年より国家863計画の支持を受け、腹腔鏡低侵襲手術ロボットシステムの研究を掘り下げ、2010年に中国初の低侵襲手術ロボット「妙手A」システムを開発し、国の空白を補った。2010年に腹腔低侵襲手術ロボットの試作機を研究した上で、研究チームは臨床製品の特徴に基づき、2014年に臨床化腹腔低侵襲手術ロボットを開発したとともに、率先して臨床手術を展開した。

産学研用の緊密な結びつき、王氏のチームと中南大学湘雅三病院の朱晒紅教授のチームの緊密な連携により、「妙手S」手術ロボットシステムが共同開発され、国産手術ロボットの産業化の大きな一歩を踏み出した。手術ロボット業界で初の医療機器登録許可証を取得したことは、中国が独自開発する手術ロボットが、臨床から市場に進出していることを意味する。

説明によると、人の手による操作及び伝統的な腹腔鏡低侵襲手術とは異なり、「妙手S」は人の手の極限を打破した。ロボットアームが人の手の代わりに360度の自由な旋回と移動を行うことができ、各方角の旋回と移動にはまったく圧力がなく、医師の手のブレがすべて補正される。縫合結紮も巧みで、手術の操作がより精密かつ正確になる。同時にカメラレンズにより人の目の限界が打ち破られ、手術ロボットに搭載される「立体画像表示ウインドウ」は、手術の視野を数倍に拡大できる。医師はこの小窓を通じ、3次元の立体的な高画質画像を目にすることができ、視野がより鮮明になり、手術の質が明らかに向上する。「妙手S」のサポートがあれば、医師は座ったまま手術を行えるようになった。これは長時間の複雑な手術の実施により適している。

王氏は取材に対し「手術ロボットが発展することで医師の代わりになるわけではなく、医師の手術能力を拡張する。腹腔のような低侵襲手術で目にする画面は平面が多く、そして拡大する倍数が低い。一方で、手術ロボットというシステムを用いると10倍以上に拡大し、腹腔内に入ることができ、より大きく立体的で直感的な画像を見ることができる」と話した。現在市場を独占している同類手術ロボットと比べると、妙手はシステムの体積・重量、画像の視角、手術の体位の適応能力、装置全体のコスト、手術のコストなどの面で大きな強みを持つ。操作方法、手術補助の柔軟性、活動空間、操作力、測位の精度などの面で高い技術水準に達している。(編集YF)

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