東北のネット有名人に売れない商品はない!1日で車288台も―中国

人民網日本語版    2019年12月8日(日) 21時30分

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中国のライブ配信の男性パーソナリティーの63.3%が東北3省の出身で、1日あたりの平均配信時間は8時間を超えるという。写真は中国の自動車展示会。

2016年の微博(ウェイボー)の「スーパー有名人祭り」の投票で選ばれたライブ配信パーソナリティーベスト10のうち、東北地域出身者が6人を数えた。SNSアプリ「陌陌」(MOMO)が発表した「2017年配信パーソナリティー職業報告」によると、全国の男性パーソナリティーの63.3%が東北3省の出身で、1日あたりの平均配信時間は8時間を超えるという。文匯報が伝えた。

動画投稿SNSアプリ「快手」の公式マーケティングプラットフォームが発表するライブコマース人気ランキングの今年6月のランキングをみると(618<6月18日のネット通販イベント>の業績が中心)、上位6位に並ぶネット有名人の3分の1が東北出身だった。

ショート動画プラットフォームの東北出身者だけでなく、実はかなり前から東北人は各方面で活躍しており、たとえば宋丹丹が出ていた作品「白雲黒土」、趙本山が出ていた作品「郷村愛情」などを見るとよい。文芸創作者だけでなく、東北出身のスターもたくさんいる。老TFboysの雷佳音、鉄門檻教主や鞍山道明寺などと呼ばれる王彦霖、林狗と呼ばれる林更新、バラエティー番組の常連・魏大勲などがいる。趙本山とその門下生たちももちろんいる。

なぜ東北出身者はライブ配信もバラエティーもこなすことができるのだろうか。原因はおそらく次の3点だ。

1つ目は冬が長く、ひますぎることだ。地理や気候が他の地域とは異なるため、寒くなり雪が降る季節になると、東北人は家にこもって、屋外での活動をできるだけ避けるようになる。しかし長い冬に家の中に閉じこもっているのは非常に退屈なので、ちょっとした娯楽や暇つぶしが必要になる。世間話をする、パフォーマンスをする、男女2人の歌や掛け合いのコントを見るなどだ。

2つ目は東北のなまりがどことなくユーモラスなことだ。早くから趙本山や潘長江の一連の作品の影響を受けて、東北弁は全国で、とりわけ北方地域で一世を風靡し、人々は東北弁をより素早く聞き分けられるようになった。

3つ目は東北文化のもつ包摂性だ。歴史的にみて東北は少数民族や移民が集まって住んでいた地域であり、モンゴル族、満州族、赫哲(ホジェン)族などさまざまな民族が暮らしている。また、かつての統治者も漢文化を学ぶよう提唱したため、外から来た移民も新しい文化に溶け込み、こうして東北は各方面を包み込み、多様化した文化形態をゆっくりと形成していった。

■東北人のライブ配信で売れないものはない

ネット有名人のアニキ・李佳●(王へんに奇)は、15分のライブ配信で口紅1万5000本を売り上げた。19年の淘宝(タオバオ)の618では、3分間で売上高が600万元(約9000万円)に達した。

これまでのネットで有名な配信パーソナリティーはチップによることが多く、収入は低い上に不安定だった。しかし現在はライブコマースがもっとバラ色のビジネスの道をもたらしてくれ、東北人がこうした機会を見逃すはずはない。

遼寧省の▼(にんべんに冬)二堡鎮はライブコマースで「復興」したエリアだ。

▼二堡鎮は以前は地域で一番豊かな「中国毛皮のまち」で、河北省辛集市、浙江省海寧市とともに全国3大毛皮生産販売拠点などと呼ばれていた。14年ごろから東北実体経済の衰退の影響に加え、インターネット通販のメリットを見過ごしてしまったため、毛皮ビジネスは一時、惨憺たる状況に陥り、顧客は激減し、伝統的毛皮販売ビジネスもますます落ち込んでいった。

18年下半期になり、▼二堡鎮でライブコマースが始まった。支柱に携帯電話数台を括り付け、東北人ならではのパフォーマンス芸術によって商品を宣伝し、ライブ配信による販売ルートを切り開いた。

現地関係当局のまとめたデータによれば、▼二堡鎮の今年1-6月のオンライン売上高は15億元(約225億円)に達した。現在、現地の毛皮業者のうち2000以上が快手のライブ配信を主要販売ルートに採用し、現地には大型ECライブ配信センターが6か所ある。▼二堡鎮のビジネスのオンラインアクセス数の約半分がライブ配信だという。

伝統的に4-9月は毛皮ビジネスにとって閑散期で、最も商売が難しい時期だが、▼二堡鎮の人々はライブ配信によって商品を売り、閑散期の売上高が例年の繁忙期よりも多くなった。▼二堡鎮全体でこうした新たな繁栄を迎えた。

口紅や衣料品などの消費財でなければ売れないと思うだろうか。そうではない。東北人のライブ配信で売れないものはない。

快手のネット有名人「二哥」さんは、全国に5000万人を超えるファンを抱える。今年5月に遼寧省瀋陽市で団体購入イベントを実施し、自動車288台を売り上げ、4S店(ディーラー)のベテラン販売員10数人の1カ月の売り上げに匹敵する業績を上げた。

6月にはかつて快手で一世を風靡した驢嫂がたくさんのスターが出演するコンサートを開催し、李宇春、林志穎、趙忠祥などが会場でパフォーマンスを披露した。司会は華少だった。驢嫂はこの一晩だけで微商(微信<WeChat>を利用して販売や宣伝する電子商取引)で商品4000万元(約6億円)以上を売り上げた。

ライブ配信は商品を売るだけでなく、供給チェーンの発展も後押ししている。しばらく前に全国初のライブ配信化粧品供給チェーン拠点が吉林省長春市に設立され、商品の供給地である広東省広州市や浙江省杭州市からやってきた化粧品が、東北地域全体の化粧品類配信パーソナリティーに供給されるようになった。

東北でライブ配信という急行列車に乗ると、急速に豊かになることもあれば、なかなか売れなかった商品が売れに売れて供給不足になることもあり、衰退していたまちが活気があふれるように生まれ変わることさえある。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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