GSOMIA騒動で見えた「韓国の苦境」「日本の強気」「米国の困惑」―中国メディア

Record China    2019年11月30日(土) 12時20分

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中国メディアの中国青年網は28日、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が失効直前に延長されたことを受け、日米韓の状況について考察する記事を掲載した。資料写真。

中国メディアの中国青年網は28日、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が失効直前に延長されたことを受け、日米韓のそれぞれの状況について考察した。

記事は、「今年に入り、日韓の対立は貿易から軍事にまで拡大した。米国の圧力の下、韓国は“条件付き”でGSOMIAの延長を宣言したが、これは日韓の対立がエスカレートすることをしばらくの間抑えることしかできず、両国関係の病原は依然として取り除くことが難しい」と指摘した上で、各国の状況について解説した。

まず取り上げたのは「韓国の苦境」だ。記事は、「文政権が誕生して以来、韓国の歴史問題をめぐる対日政策に微妙な変化が生じた」と指摘。昨年10月に韓国大法院(最高裁)が元徴用工の個人賠償請求権を認める判決を下したこと、韓国政府が朴槿恵(パク・クネ)政権期に日本と交わした慰安婦合意について「被害者にとっては受け入れられなかった」などとしたことに言及した。そして、「韓国がたびたび歴史問題を蒸す返すため、日本は反撃行動を開始した」とし、韓国への半導体材料の輸出管理強化、輸出優遇国からの除外などの措置を取ったことを紹介した。

続いて、「この輸出規制で日本が優位に立つと、韓国は米国に仲介を依頼。しかし、日本の反対によって米国は介入できず。こうした状況下で、韓国は唯一日本に反撃することができ、かつ、米国を動かすことができる方法を取った。それがGSOMIA破棄だ」と解説。ただ、結果的に日米からの圧力を受けて延長せざるを得なくなったことについて、記事は「日米韓の中で韓国の苦境が目立つのは疑いようがない」としている。

続いて言及したのが「日本の強気」だ。記事は、「韓国経済がプレッシャーに直面している中で、(日本が材料の輸出管理を強化した)半導体産業は韓国経済の重要な地位を占めている」とした上で、「日本の韓国に対する強気の姿勢には自信があった。ここ20年、日本の大企業が半導体製造から手を引いたことで韓国企業が台頭した。しかし、原材料においては日本に高度に依存していたため、日本が韓国半導体産業の命脈を握ることになった」と解説した。

また、「半導体材料の対韓輸出規制によって韓国が窮地に追い込まれたことは、韓国経済の日本への依存度が高いことを表す縮図にすぎない」とも指摘。韓国経済研究院が7月28日に発表した報告書で、韓国が日本から輸入している4227品目の製品のうち2018年の対日依存度が50%を超えたのは253品目だったこと、紡織用繊維が99.6%、化学工業製品が98.4%などと製品によって非常に高い依存度になっていることを説明し、「日本による韓国経済への影響を消し去ることは、韓国にとって完遂することが不可能なミッションだ」とした。

最後は「米国の困惑」だ。記事は、日韓の貿易摩擦が過熱する中で米国が両国に米軍駐留費の分担額増加を要求したことを挙げ、「韓国にとっては、文大統領の支持率が下降する厳しい状況の中で、日本との貿易問題にせよ、GSOMIA破棄にせよ、駐留費の問題にせよ、譲歩できる空間は非常に狭かった。これがまさに、米国との3度にわたる協議でも合意することができず、GSOMIA延長に際しても『いつでも終了できる』と言わざるを得なかった理由だ」とした。

その上で、「韓国が日本とのGSOMIA破棄をちらつかせたことも、日本が韓国を防衛上のパートナーの中で格下げ(19年版の防衛白書で韓国を2番目から4番目に下げた)したことも、当然ながら相手にダメージを与えるためのものだ。しかし、これらはいずれも米国を中心とする軍事同盟に挑みかかるものになった」とし、「日米韓3カ国の軍事同盟は一体誰の同盟か、誰がこの同盟を最も必要としているか。実際のところ、米国は日韓よりもこれを必要としている。米国の北東アジア戦略における利益に直結するからだ。これこそ、米国がマーク・エスパー国防長官という“重量級”の人物を派遣してまでGSOMIAを継続させたかった根本的な理由だ」と論じた。(翻訳・編集/北田

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