日韓GSOMIA期限切れ控え「廃棄、迅速に撤回を」と韓国紙、「血で結んだ米韓同盟が危ぶまれる」とも憂慮

Record China    2019年11月9日(土) 6時10分

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韓国政府が破棄を決めた日韓GSOMIAの期限切れを23日に控え、韓国紙は「廃棄、迅速に撤回を」と主張した。破棄に米国が反対しているためで、「文在寅政権の失策で韓米が血で結んだ同盟が危ぶまれている」と憂色を深めている。資料写真。

韓国政府が破棄を決めた日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の期限切れを23日に控え、韓国紙は「廃棄、迅速に撤回を」と正面から主張した。破棄に米国が強い難色を示しているためで、「文在寅政権の失策で韓米が血で結んだ同盟が危ぶまれている」と憂色を深めている。

GSOMIA破棄をめぐり、文政権は米国の反応を読み誤った。朝鮮日報はこの間の事情を日本企業に賠償を命じた韓国最高裁の元徴用工判決を受け、日本政府が対韓輸出規制を強化したことから、「大統領府(青瓦台)はGSOMIA破棄を活用することを決め、それを通じて米国に仲裁の役割を求めた」と解説。「しかし、破棄発表後の展開は韓国のもくろみ通りに行かなかった。米国は韓国に対して堂々と圧力を加え、執拗(しつよう)にGSOMIAの延長を要求してきた」と報じ、「日本は後方へ下がり米国が前面に、ブーメランで帰って来た」と皮肉った。

韓国政府が望みを託した仲裁についても、ナッパー米国務副次官補(韓国・日本担当)は日本メディアとのインタビューで「米国は(日韓の)関係改善に触媒(CATALYST)役をすることは可能だが、最終的に前進する道を見つけるのは日本と韓国だ」と言明。ヤング駐日米国臨時代理大使も「米国は(日韓の)仲裁人や審判にはなりたくはない」として、「対話を促す触媒としての役割を果たしていく」とだけ述べた。

こうした中、中央日報は「韓米同盟基盤であるGSOMIAの廃棄、迅速に撤回を」との社説を掲載。「韓米が血で結んだ同盟が危ぶまれているのは文政権の失策が大きい。GSOMIA廃棄カードを日帝強制労役対応の交渉手段として使ったためだ。北朝鮮だけを見詰める政策に加え、行き過ぎた反日感情に襲われてGSOMIAの価値を軽視してしまった」と非難した。

さらに「GSOMIAは韓日間の協定だが、北朝鮮の核・ミサイルを阻止するための韓日米協力の共通基盤だ」と強調。「GSOMIA終了は北核・ミサイル防衛を難しくし、韓国が米国の安保戦略から結果的に排除される決定的な契機になってしまう可能性がある。米国の安保戦略の軸足が韓半島(朝鮮半島)からアジア太平洋に移りながら在韓米軍撤収・縮小説まで出てくるようになったのはそのためだ」と言及した。

その上で「当時、青瓦台国家安保会議で国防、外交部の長官はGSOMIA維持の立場だったが、金鉉宗・国家安保室第2次長らは破棄を主張したという。文大統領が主務長官の意見を無視して非専門家の方に軍配を上げたのだ」と論難。「文大統領は今からでも、韓米同盟の混乱をあおった人々を排除し、GSOMIA破棄を撤回する果敢な決断を下さなければならない時だ」と訴えた。

GSOMIAに関して韓国内にはこのまま破棄に突き進むのは困難との見方もある。日本に屈したとの世論の反発を回避するため、元徴用工判決や対韓輸出規制とは切り離し、米国の意向をくむ形での「破棄撤回」「破棄を留保」などの“ウルトラC”も取りざたされている。(編集/日向)

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