米中貿易協議、トランプ米大統領「重要な第1段階の合意」にも「中国側は冷ややかな反応」と米メディア

Record China    2019年10月19日(土) 9時20分

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トランプ米大統領は11日の中国との貿易協議について「重要な第1段階の合意に達した」と自画自賛した。これに対し、中国は「合意」に全く言及しないまま。米メディアは「中国側は冷ややかな反応」と伝えた。米中貿易協議。

米国トランプ大統領は11日の中国との貿易協議について「重要な第1段階の合意に達した」と自画自賛し、15日に予定していた対中追加関税第1~3弾の引き上げを延期した。これに対し、中国は「合意」に全く言及しないまま。米ブルームバーグ通信は「中国側は冷ややかな反応」と伝えた。

米国側によると、「第1段階」と称して暫定合意したのは農産品と為替、知的財産権などの特定分野。中国が400億ドル(約4兆3千億円)から500億ドルの米農産品を購入するという。中国の対米農産品輸入の過去最高額は年約260億ドルだった。

金融面では中国が通貨政策で透明性を確保する。米政権が意図的に人民元安に誘導しているとして8月に指定した「為替操作国」の扱いは今後検討する。中国が米金融機関に市場を開放していく方針も盛り込んだ。

トランプ大統領は11月中旬にチリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、中国の習近平国家主席との間で正式に署名したいと表明。今後、米中両国で文言を調整する過程で意見が食い違う可能性はあるが、トランプ氏は「問題は起きないだろう」と強調した。

一方、中国国営新華社は12日、「双方は率直で効率がよく、建設的な議論をした」と報道。「農業、知的財産の保護、為替、金融サービス、貿易協力の拡大、技術移転、紛争解決などの分野で実質的な進展があった」としたが、トランプ大統領が成果として挙げた「部分合意」という文言は使わなかった。

中国商務部も多くの分野で「双方が実質的な進展を遂げた。最終合意の方向に向けて協力することで一致した」とだけ言明。中国網も「平等と相互尊重を踏まえた上で共に歩み寄り、容易な問題から徐々に難しい問題へと取り組むことで、最終的な合意に向け地ならしができる」と説明した。

中国の反応の背景について、ブルームバーグ通信は「15日に予定されていた対中関税率の一部引き上げの先送り以外、中国に対する米国の関税圧力が和らげられることはほぼなかった。中国のかねての交渉ポジションだった追加関税の完全撤回からは程遠い」と指摘。「中国側も為替や知的財産をめぐる慣行についての曖昧な約束や、同国がいずれにしても必要とする農産物の購入といったこと以外はあまり譲歩することはなかった」と報じた。

さらにブルームバーグ通信は「新華社通信は双方は紛争の激化を回避したが、残る問題の多くは依然として不確実性に満ちている。中国は常に十分な忍耐と戦略的な強さを維持しなければならないと主張した」と紹介。「減速する国内経済への圧力を中国政府が少しでも緩和したいのなら、トランプ大統領に調子を合わせる以外に選択肢がほとんどないことが浮き彫りになった」との見方も示した。(編集/日向)

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