中国で植林活動を続ける日本人男性、15年間に目にした「日本では考えられない光景」―中国メディア

Record China    2019年9月2日(月) 21時10分

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1日、中国メディア・中国新聞網は、中国で植林活動を行う武田英文氏を紹介する記事を掲載した。写真は甘粛省の砂漠。

中国で植林活動を行う武田英文氏(74)は1日、26回目の甘粛省訪問を終えて帰国するに当たって、「甘粛省の緑化事業を必ず次の世代に伝えたい」と強調した。同日、中国メディア・中国新聞網が報じた。

秋田県林業育成協会の代表理事を務める武田氏は、15年間にわたって日本で約800万元(約1億1860万円)分の募金を集め、甘粛省蘭州市の南北両山、敦煌市の陽関鎮、天水市の秦安県などの約80ヘクタールの土地に140万本以上の苗木を植えてきた。武田氏は中国新聞網のインタビューに対し、「2004年に初めて蘭州を訪れた時、飛行機を降りてすぐに黄土の山肌を目の当たりにした。日本では考えられない光景だった」と話した。荒れた山を、植林活動を通して緑で埋め尽くそうと思ったことが活動の動機になったという。

しかし、活動をする中で多くの人に「甘粛省では、木を1本植えるのは子どもを1人育てるよりも難しい」と言われたという。武田氏は「後になって(甘粛省での植林は)本当に難しいと分かり、一度は自信を失いかけた。しかし、人々の情熱に支えられて続けることができた」と話したという。

武田氏は募金活動などの際に、植林の経過を記録した写真を活用している。日本の友人や甘粛省の役人らに対し、写真を見せながら「ここは乾燥していて、土壌の流失を防ぐために棚田の形をとっている。現地の人は特殊だとは思っていないが、日本では聞いたことがない」「山上には水がないため、山の下や地下から水を引くしかない。だが、かんがい設備は非常に高価。寒さに耐えるポプラの木ならこの環境でも育てやすい。この地域には貧しい農民が多いから、われわれは商品作物であるりんごなどを育てて彼らの収入を増やしたい」などとプレゼンテーションしたという。

記事は、今回の訪中について、「武田氏が再び『日中友好の林』を訪れると、そこには樹木が生い茂っていて、かつての山肌はすっかり“緑のじゅうたん”で覆い尽くされていた」と紹介。武田氏は、「蘭州は自分にとってすっかり第二の故郷になった。ここに来ると必ず牛肉麺を食べる」「私一人の力は取るに足らないが、甘粛省の人らが数世代にわたって緑化事業のために続けてきた努力には心から感動している」などと述べたという。

最近では、中国・西北師範大学で教員を務める息子の英一さんも、時折日本の大学生を連れて蘭州の植林活動に参加しているそうだ。英一さんは「父の蘭州に対する強い愛には私も強く影響を受けた。なので、卒業後、私も(参加しに)やってきた」と話しているという。

記事によると、武田氏は「植林は国境を超える。地球の緑化は全人類に関わることだ。地球という庭をさらに美しくして、生態環境をより良くするために、植林・緑化活動をしている」と話したという。(翻訳・編集/岩谷)

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