日米貿易交渉で米国産トウモロコシ大量輸入、「安倍首相がトランプ大統領に善意示す」と中国メディア

Record China    2019年8月30日(金) 19時30分

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日米貿易交渉で中国メディアは日本が米国産トウモロコシを大量輸入する約束をしたことに注目。安倍首相がトランプ大統領に「日本式の善意を示す」と伝えた。

日米貿易交渉はフランス南西部ビアリッツで開かれた先進7カ国(G7)サミット会期中の安倍晋三首相とトランプ大統領の首脳会談で大筋合意した。中国メディアは日本が米国産トウモロコシを大量輸入する約束をしたことに注目。安倍首相がトランプ大統領に「日本式の善意を示す」と伝えた。

日本が輸入するトウモロコシは最大250万トン。日本の飼料用トウモロコシの年間輸入量の3カ月分に相当する。菅義偉官房長官によると、大量輸入に踏み切ったのは7月にトウモロコシを食い荒らす害虫の被害が日本国内で初めて確認されたため。今後、被害が拡大して飼料用トウモロコシの供給が不足する可能性があるという。

この大量輸入にトランプ大統領は上機嫌。「中国が約束を守らないせいで、われわれの国にはトウモロコシが余っている。それを安倍首相が代表する日本がすべて買ってくれることになった」と述べ、来秋の米大統領選を見すえ、支持層の農家に成果をアピールした。

大筋合意について、中国網は笪志剛・黒竜江省社会科学院北東アジア研究所所長が執筆した記事を掲載。笪氏は「日米は今回の交渉が間もなく成功に向かうと大々的にアピールしたが、その裏には経済面のどのような計算があるのだろうか。どのような外交の駆け引きがあるのだろうか」と前置きし、「今回の貿易の駆け引きからは日本が降参したような印象を受けるが、短期的かつ直接的な利益を求めるトランプ氏と異なり、日本は長期的な利益に望みを託すしかない」と指摘した。

続いて「日米貿易問題は内政問題であり、外交問題でもある」と強調。「日米貿易交渉は貿易の率直な駆け引きであり、双方の外交の動向を探るバロメーターでもある。トランプ氏は再選に向け短期的な影響の少ない工業製品で譲歩し、焦眉の急となっている農家の利益を手にした。その一方で、日本は別の面で損失を補おうとするはずだ。今後は在日米軍の駐留費の負担などをめぐる駆け引きで、今回の利益の損失を取り戻そうとするだろう」と論じた。

さらに「日本は中国や東南アジアなどの重要な貿易パートナーとの経済貿易関係を強化・拡大し、アベノミクス推進の成果を確かなものにしようとしている」と分析。「日米貿易交渉で低姿勢で流れに乗り行動し、それほど勝算のない交渉において日本式の善意を示す。変化しやすいトランプ氏を相手にすれば、これまでの経験から多くの予想外の後遺症を残される可能性があることは明らかだが、これは安倍氏にとってやむなき現実的な、懸命な選択肢の一つだったのだろう」と言及した。(編集/日向)

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