「中国人観光客はどこへ?」嘆く米小売業界―英メディア

Record China    2019年8月22日(木) 10時20分

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19日、中国のニュースサイトの参考消息網は、英紙フィナンシャル・タイムズがこのほど、「米小売業界の嘆き:中国人観光客はどこへ行ってしまったのか」とする記事を掲載したことを紹介した。写真は米ラスベガス。

2019年8月19日、中国のニュースサイトの参考消息網は、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)がこのほど、「米小売業界の嘆き:中国人観光客はどこへ行ってしまったのか」とする記事を掲載したことを紹介した。

それによると、FTの記事はまず、「米国の産業界は、中国からの一部の輸入品への関税賦課を延期するというドナルド・トランプ大統領の決定に歓喜の声を上げた。だが米中関係の緊張はまた、米国へのもう一つの貴重な到着を混乱させている」とし、「何万人もの中国人観光客がこの国を休暇の目的地として敬遠しており、ティファニーやハイアットホテルなど多くの企業が損失計算を始めている」と伝えた。

その上で、「米国の観光業界にとって、中国からの観光客は特別な魅力がある」とし、USトラベル・アソシエーションによると、中国人観光客が1回の米国訪問で費やす金額は、フライトと宿泊の費用を含めると平均7000ドル(約74万円)になることを紹介した。

一方で、中国からの訪問者数は、数年にわたる二桁成長を経て、2017年はわずか4%増にとどまり、18年は前年比6%減の299万人で、03年以来の前年実績割れとなったことを紹介。「米国の主要企業の幹部によると、そうした弱さはこの夏も続いており、中国人観光客の減少が利益を圧迫している」とし、ツーリズム・エコノミクスのアダム・サックス社長が、「中国人観光客が過去10年間、国際観光の成長の大部分を代表していたことを考えると、それは大きな懸念だ」と述べていることを伝えた。

さらに、「米百貨店大手メイシーズの19年度第2四半期決算は、予想に反して弱いものとなった」とし、「その要因の一つは、外国人観光客による売上高が前年同期比9%減少したことだ」と指摘。同社のジェフリー・ジェネットCEOが、「観光客への売上の下落は大きな問題だ」とし、「彼らは定価で購入する傾向があり、返品することはまずない」と述べていることを伝えた。

記事によると、訪米者数の減少について、アナリストらは、「米国政府によるより制限的なビザ発給から貿易戦争に至るまでのいくつかの要因によって説明がつく」としているという。

中国政府が今夏、米国へ渡航を予定している国民に対し、銃犯罪や「嫌がらせ」に巻き込まれる危険があるとして注意を喚起したことについて、サックス氏は、「そのような警告が一部の学生とツアーグループのキャンセルを促進していると聞いたことがある」と話しているという。

記事はまた、「米商務省内の旅行観光業担当部局によると、18年の訪米外国人旅行者のうち、中国の割合は8%に満たず、12%の英国に及ばない。だが中国人観光客は他のどの国よりも米国経済に貢献した」とし、「外国人観光客は米国の小売業界に二桁の成長をもたらしてきた。だが高級宝飾品を手掛ける米ティファニーの19年度第1四半期の訪米客向け売上高は前年同期比25%減少し、中国人観光客の販売はさらに大幅な落ち込みになったという」と伝えた。

さらに、メイシーズのジェネットCEOが、中国人観光客減少の影響を最も受けた約40店舗で、その影響を相殺するために国内の観光客や地元客の訪問を増やす方法を模索していると語っていることも伝えた。

記事は一方で、「戦略の変更を保留している企業もある」とし、ブッキング・ホールディングスのグレン・フォーゲルCEOが、「重要なのは、短期的な変化を理由に後退しないことだ。長期的に見れば、中国にはまだ大きなビジネスチャンスがある」と指摘していることを伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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